【虹色クラス】2017年2月8日~オトの日~

こんにちは。スタッフのひとみんです。
今日はオトの日。ですが、
メンバーが一人!

他の子達は、風邪をひいてしまったり、冬旅の疲れがあってお休みでした。
なので今日は2人だけのオトの日です!

行き先についてはあらかじめ決めずに、子ども達と相談して
行った先で楽器遊びをしようと思っていました。

「皆いないし、つまらない~!行きたいところもないなぁ。」
「じゃ、今日は電車にのれるから、とりあえず駅に行ってみようか」

駅に行って、路線図を見ながら持っているお金で行けるところをさがします。
でも、今日は近いところに行きたくなったみたい。
最寄りの駅から二駅先の切符を買って、電車に乗り込みます。

 

一駅目で。

「ひとみん、私の家を見にくる?ここで降りたら近いで!」
「お、そうなの?どんなお家か見に行ってみたい!」

と、急きょ、予定していた所の手前の駅で降りることに。

はじめにプランニングしていたことは、話し合いのなかでどんどん変わります。
何が起こるか予想がつかずドキドキしますが、そのかわりに、やりたい気持ち、たのしい気持ちが続いていきます。

私は公園に行って楽器をやりたいなーと思っていたので、それを彼に伝えたところ、
駅前に良い公園があるんだ、と案内してくれました。

公園についてさっそく、私はおなかがすいてしまいお昼ごはん^^;
男の子は、彼がいま夢中になっている、家や街を作るゲームの設計図を書き始めました。

「駅を作ったんだけど、ひとみんは駅の近くに何が欲しい~?」
「仕事帰りに立ち寄れるやきとり屋さん!」
「わかった!あとは、ホテルの横に旅館があって、銭湯の横に温泉があって。。」
色々考えています。あえて同業者が競い合うような町づくりをしているんでしょうか?(笑)

設計図を書いたり、高鬼・ケードロをしたり。その合間に楽器のオトが入ります。
ここでは、「演奏」をかっちりしたり、楽器の練習をしたりすることもしなくて、
遊ぶなかで、そのすきまにオト・音楽が入っていきます。

セッションになったりすることもあるし、ただ一人で奏でていることもあるし。。
それぞれが出したいオトを出しています。

今日この公園では、遊具のなかに、電話みたいに音を伝え合えるパイプがありました。
パイプの前にタイコを持って行って、ポン!

「きこえる~?」
「おぉ~聞こえるで」

「こっちの楽器もためしてみよ。」

これはカリンバというアフリカの楽器ですが、やってみて、彼はこの楽器はイヤだったみたい。なぜかというと、
「鉄のところにさわるとビリビリする(静電気)から、今日はいややわ!」

公園の向こうの方から何か声が聞こえる。。

ふと振り向くと、大学生さんたちが歌っていました。
練習をしにきたのか、3人で声を和音を歌ったりしてました。
「あれなにやってんの?」
「アカペラって言って、楽器なしで皆で歌ってるんやで」
「ふぅーん」

ふだん遊んでるときは音楽のことをあまり意識しないですが、
「今日はオトの日」と思っただけで、あちこちに音楽があることに気づきます。

 

最近ハマっているカードゲーム。「犯人は踊る」。
公園にも持ってきました。

このゲームは3人以上でないと出来ないよ、と説明書にはあるのですが、
なんの問題もなく2人でプレイします(笑)

説明書には書いていないやり方で。
犯人カードを持っている人を見つけるゲームなので、
2人でやると、自分が持っていなければ相手が持っていることになり、つまらない。
はずなのですが。。
自分が犯人カードを持っているのが相手にバレたまま、犯人カードをいかに相手に渡せるか、という、カードの渡し合いを必死にやりあうところが面白くて、何回もやりました。
説明書に従ってやっていたときよりも、面白く柔軟にいつまでも遊べる感じがしました。

お昼ご飯を食べながら、トークタイム。


「皆なんでこないのー??!」「皆いないとつまんないー」と折に触れて言葉がもれます。
皆と居る時間が楽しいんだなぁという所が伝わってきました。

 

小さい子が乗る黄色いブランコ。
ホールド感があってなかなか乗り心地が良いのです。

「このブランコに乗るのを皆に見られるのは恥ずかしいから、これは1人のときにだけできるな」ということで、乗り心地の良いブランコに乗りながら、長い時間おしゃべりしました。

ほかにも、ブランコの下で寝そべって、揺れるブランコを眺めてみたり。
これも皆が居る所では恥ずかしいのでやらないとのこと。
一人だからできること、楽しめることも色々ありました。

ブランコでみかんを食べていたら、みかんを落としてしまった!

砂まみれになったみかん。
手で払っても砂が完全には取れない。

「砂がついちゃった。このみかん、ひとみんが食べて!」
「え~!なんで?」
「いいから、食べて!!」

その発言と、みょうに強い彼の態度に、私は最初イラッとしました。
なぜかというと、私はこの言葉と態度を良くない様にとって、「ひとみんは砂がついたみかんでも食べとけ~!」とバカにされてるのか、と聞いてしまったからです。

いつもは他の子とのやりとりも絡んでくるので、流れてしまいがちなちょっとしたやりとり。
今日は2人だけなので、じっくり話しました。

「どうしてひとみんに食べてほしいの?砂がついたら自分は食べられないから、私に食べてほしいの?」
「うん、そう」
「食べられないなら、残せばいいんじゃない?」
「それはできない!!」
「え、どうして?」
「・・みかんが悲しむから。」

彼の本心は、私が思っていたものとは全く違って、
彼は、「みかんが悲しむ」と困るから、それをなんとか避けられないかと必死になっていたのでした。
思いがけず、彼の中の「食べ物を大事にしたい」という気持ちにふれた瞬間でした。

「それを聞いたらひとみんも気持ちが動いたわ。最初は、嫌なものを押しつけられているのかと思ったのだけど、全然違ったね。
食べ物を大事にしたい気持ちが伝わってきたから、ひとみんも、“よし、どうしても食べられないんだったらひとみんが食べてあげるよ!”という気持ちになった。
けど、その前にもうひとつ思ったんだけど、これ、水で洗ったら食べられるようになるんじゃない?(笑)」

「いや、水で洗ったら味が落ちてしまうよ!」
「このみかんは薄皮がついているから、中の汁までは流れないと思うよ、きっと」
それを聞いて、彼は水道でみかんを洗うという行動に。
そして、綺麗になったみかんをおいしそうに食べていました。

すごく小さな出来事ですが、私にはとても面白かった!
これまで選択していた「砂がついちゃったら食べない」という動きが、変わったからです。
これまでも何度か彼との間で同じようなやりとりがありました。
そして、そのときは、事情がよくわからないまま、砂のついたみかんを受け取ったりしていました。

砂がついても食べられるようになった、ということは、
彼の行動できる範囲が広がったということなんじゃないかな、と思います。
うごける範囲が広がると、それだけ選択できることが増えて、
生きることが豊かになっていくんじゃないかな・・、と
小さなみかんから急にスケールが大きくなりますが、そんなことを考えていた私でした。

実は、お弁当のごはんも少し落としてしまって。
こちらは洗うことができなかった。そしたら
「公園のハトさん食べるかな」とハトにあげていました。
「ハト、“おいしい”って言ってるよね?」と心配そうに確認。
彼の、食べ物を大事にしたい気持ちにふれ、心があたたかくなりました。

 

今日は公園で一日じっくり話してまったり過ごしたオトの日でした。
言葉をきく、対話ができたのも、音楽のようだったな、と思います。
今日も一日楽しかった!ありがとう♪

ひとみん

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