小学部、中学部の学び舎に子供を通わしている方は、地元の公立学校に席があります。学び舎に通いたいと思ったら担任の先生にその旨をつたえ、教頭や校長、教育委員会に連絡がいきます。そうすると、学び舎に校長先生と教育委員会の方が視察に来て、校長先生が認めたら、公立学校には「不登校」だけど、学び舎には出席しているので「出席認定」がもらえるらしく、学割などの対象にもなります。つまり、公立で「不登校」と認められたら、学び舎の「出席認定」が認められます。でも、校長先生が「不登校」を認めないと「出席認定」されず、その子は公立で欠席扱いになり続けるそうです。
山田「どうして出席認定する校長先生としない校長先生がいるのでしょうか?」
太郎:本人に聞かなければ本当の所はわかりませんが、ひとつには「不登校」の捉え方の問題があります。
「不登校」を悪いととらえていらっしゃると、「出席認定」をすると「不登校」の子供がいると教育委員会に報告することになるので、
「不登校」ではなく「欠席」として処理し、「我が校は不登校児0」をアピールすることが出来ます。
山田「それって、子供には関係ないのにひどくないですか?」
太郎:今までは、「不登校」のイメージが「問題」と直結していたので無理もないかもしれません。
でも、「不登校」の捉え方が近年、教育委員会も先生も親たちも変わってきたのです。
今は
「公立学校ではなく、フリースクールに通いたい!」
と積極的に選択する子もいると認識されてきています。
フリースクール自体の2種類あって、
- いずれ学校に戻ることを目的とした、いじめにあった子のケアスクール
- サドベリーやオルタナティヴと呼ばれ、興味あることを追求できる、アクティブに活動するスクール
学び舎はこの2のほう。
「教育機会均等法」がようやく浸透してきたのか、教育委員会も学校も親もこの2つめのパターンを受け入れ始めているんです。今年は、ほとんどの学校の校長先生と教育委員会が週に3日来るときもありました。
山田「今年はって、今までは来られてなかったのですか?」
太郎:ほとんど、どこも来られてなかったですね。
子供の不利益にならないように何か通達があったのか、今年は次々とこられます。
山田「不利益とは?」
太郎:出席認定で得られるメリットを享受できるように、校長先生が、学び舎が安全な場なのか?虐待とかはないか?などのチェックされるんです。
中学校は13項目チェックされて、教育方針や子供達の日々の様子、スタッフの研修を口頭で質問されます。
小学校はあまり質問はされません。
ただ、学校によっては「不登校」を問題と捉えている方がいるのも事実です。
山田「割合はどのくらいですか?」
太郎:「こういう活動いいですね。共存していきましょう。子供達も学校に通いたくなったらいつでも門を開いています。」という学校が7割。
「学校が一番なので、戻せるように出来るだけご指導ください。」と言う学校が2割。
「我が校も、こういう取り組みをやっています。」と自校のアピールする学校が1割
山田「ということは3割がこの状態が認められない感じでしょうか?」
太郎:詳細までは言えませんが、認定をもらえないからといって、義務教育は卒業できるし、それで就職に不利益にもならないので、子供に特に問題はないのですけどね。
今までは、親が強く言わないと出席認定はもらえませんでした。
まあ、中学は高校受験を考えると内申の問題がでてくるんですが、これも問題なくて、
内申欄を「斜線」にしてもらうことができるんです。
通常の内申は、生活態度4割、学力テスト6割と言われていますが、計測不可能な場合は「斜線」になります。
山田「斜線は不利にはならないのですか?」
太郎:なりません。不利にしてはいけないと指導されているんです。その分、面接時間が長くなることはあると思います。
全体の3.7%を超えるとひとつの文化として認識されると言われていますから、
「不登校」が子供の感覚的には5%の今、フリースクールの子も当たり前で、彼らが生きやすい世の中になってきたのでしょう。
このブログシリーズは「さつきやま森のようちえん」の元保護者で、太郎旅の参加者でもあるライターの山田詩乃が、読者目線で太郎さんに今、聞きたい事をインタビューし、まとめたものです。
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