太郎さんは、エコ・ツアーガイドでも、子育てでも、園長の仕事でも、本当にご機嫌に仕事をしています。それは、ただ好きなことをやっているからだけではなく、楽しむコツが存在していました。
「先日、私ごとですが、初めて、ホテルも決めずにいきあたりばったりの旅にでたんです。
すごくエキサイティングでした。でも、もちろん、その分トラブルも多くて、怖かったり落ち込んだりもしました。そんな時、ふっと、太郎さんのこと思い出したんです。太郎さんは、いつも、トラブルを楽しんでいるよなって。それに、太郎ツアーはちゃんと予定通りに行っていても、エキサイティングな出会いに溢れている。それって、なぜなんでしょう?」
「(笑)さすがにトラブルを引き寄せようとは思ってないんですよ。でも、
何でも受け入れようとは思っているんです。それは、つまり自分の『枠』をはずしているからなんです。実は、これがすべてを楽しむコツ、鍵です。
トラブルを引き寄せないようにガチガチに自分を守りすぎていると心も身体も固まって、何もやってきませんが、『枠』をはずしているとね、行く場所、やることが決まった旅でも、いろいろ面白くなります。
飛行機で隣に座った人と仲良くなって、現地の特別な情報が入ってきたり、美味しいお店を紹介してもらったり、困ったことがあったら連絡してくれとまで言われたり。
『枠』がないと、簡単に侵入されるし、トラブルもやってきますが、その分、スペシャルな出会いも、手助けもあるんです。」
「だからなんですね!太郎さんの旅に面白いことがいっぱい起きるのは!」
「子育ても一緒です。
山好きの父親にありがちなんですが、よかれと思って、子供を小さいうちから山に連れて行くんです。でも、小さな子にとっては、体力も違うし、かえって辛い思い出になって、自然を嫌いになったりするんですよね。それは、場所ややり方に固執するからですよね。
自然の中でトラブルに会った時も同じです。子供が怖くなっているのに、無理やり同じことをさせる必要はありません。
カテゴリーの『枠』を広げて、山登りが嫌なら川でカヌーしたり、ハイキングだ、BBQだ、海釣りだと手を変え、品を変え、その子にあった楽しみ方を提供すればいいんです。
自然のことだけではありません。例えば、うちの次男が、善意をもって夕御飯の支度を手伝いたいと申し出ることがあるんですが、
それでは、夕食が遅くなるのが目にみえているし、たぶん僕もイライラもしてしまう。
だから、食事の『枠』をひろげて、今夜の夕飯の準備ではなく、明日の朝食の準備を手伝ってもらうんです。そうすると、さしつかえなくなるし、明日の準備もできるので、本当に素直に子供に感謝できるんです。
『枠』を広げると本当に自由になるしいいことづくめですが、問題は自分の『枠』に気付きにくいということ。そして、気付いたとしても『枠』からでるのは怖いですよね。」
「太郎さんでも怖いってあるんですか?」
「もちろん、あります。例えば、森の学び舎やようちえんの仕事ですが、おかげさまで来年度の定員はいっぱいなんですが、問い合わせやキャンセル待ちが後をたたないんです。
もし、受け入れるなら、園バスやスタッフのことも見直さなくてはならない。規模を拡大する必要があります。今のちょうど均衡している『枠』をでることになり、それは、投資になるので当然、リスクがともないます。」
「会社が大きくなっていくときに、経営者が何度もぶつかる壁ですね。」
「そうです。正直、どうあるべきなのか悩みました。でもこんな言葉が浮かびました。
『変わらないためには、変わり続ける必要がある』
時代においていかれないようにするには、走り続ける必要があるんです。
ニーズとダンスし続けるということ。
だから『枠』を広げてみました。すると、さっそく良いアイデアが浮かんできて!どうも面白いことになりそうです。」
「悩んだときこそ、絶好の『枠』を広げるチャンスなんですね!良いキーワード教えて頂きありがとうございました。」
いかがでしたか、太郎さんの人生を楽しむコツ!是非、役立ててみてください!
このブログシリーズは「さつきやま森のようちえん」の元保護者で、太郎旅の参加者でもあるライターの山田詩乃が、読者目線で、太郎さんに今、聞きたい事をインタビューし、まとめたものです。
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