園長インタビュー

【太郎さんのここが聞きたい!】VOL.5『雷親父がいるようちえん』

前回、お伝えした「親父の会」のお話から、家庭での子育ての話になり、「雷親父」の話に移っていきました。

「親子っていうのは、切っても切れない絆があるんです。だから、家庭というのは、安全な人間関係のトレーニングの場なんですね。親子や兄弟は、安心して喧嘩することが出来る。

・・・他人だとこうはいきません。園はお父さんを巻き込むことで、家族ぐるみのお付き合いができるので、そういう意味で大きな家族のようです。一人でも多く、遠慮なく付き合える人間関係があるというのは幸せなことです。

安心と言っても、言いたい事をいったり、したいことをしていると、当然、怒られることもあります。でも、怒られるから、『ここまでやったら駄目なんだ。』って子供は体で理解するんです。

僕は園でも、子供が悪いことをしたら、ちゃんと怒ります。

最近は、『怒らない子育て』という考え方がありますが、人類が誕生しておよそ400万年の歴史のなかで、『怒らない子育て』が言われ始めたのは、つい最近です。それが正しいかどうかは、まだまだ、これから・・・。

僕は『怒り』は悪だとは思いません。『喜び』っていい感情だと思っていると思いますが、喜び過ぎるのも、中国の五行の考え方では心臓に負担がかかると言われています。喜怒哀楽にタブーはありません。

赤ちゃんは、怒らないんです。泣いているのは、怒りではなく、『おっぱいが欲しい。ウンチが気持ち悪い』などのサイン。

怒りは、人間が社会に適応していくなかで、自分がしたいこととのギャップで生まれ、とても自然なことなんです。だから、怒りを押さえ込んで溜めるのはよくありません。むしろ、その怒りをどう出すかが大事なのではないのでしょうか。

僕は、怒っているときは、ちゃんと怒るんです。淡々と言っても伝わらない。

漫画の『ドラえもん』の雷さん知っていますか?のび太君がジャイアン達と野球していて、いつも窓ガラスを割られる家のおじさん。ちゃんと怒っていますよね。昔はああいう、雷親父が、あちこちに、いたもんなんです。

理不尽なことを理不尽だという。雷親父が。

でも、本気で怒り続けるって結構大変ですよ。怒りは本気出せばそんな続くものじゃないんです。

この前、子供に10分怒ったのですが、そうとう疲れました。それで、やりすぎたと思ったら子供に謝ったらいい。怒られた子も、後から親が確認したら、その日の『楽しかった。』ことは残っていても、怒られたことが、ダメージとして残っていなかった。

だからといって、僕は子供を怒って、恐怖でコントロールするというのではありません。軍隊じゃないし。

相手を思いやる心がなくて怒るのは僕もダメだと思います。相手に何かを伝えたいものがあって、相手を思いやる心があって怒る。

『森のようちえん』で僕が子供に怒っても伝えたいのは『危険』と『聞くこと』の大切さ。それは『命を守ること』につながっています。

自然の中で遊ぶということは『危険』と隣り合わせです。天気だって一定じゃないし。

僕が危険を察知して、みんなに伝えたとき、ちゃんと聞けないと『命』を危険にさらしてしまう。

ずっと集中する必要はありませんが、僕の声の質が変わるのを察知して、大切な時に聞いて行動出来ることが必要なんです。

 『今、この瞬間!』というときに聞けるようになれば社会に出たときもコミュニケーションに、多いに役立つでしょう。

 僕は怒るときは『本気』です。

園では、子供たちは『今やりたいことが一番』で、何をやっても基本『自由』ですが、『自由』には『責任』が伴うことも同時に学びます。

帰る間際にお弁当を食べたいと言いだしたら、食べてもいいけど、みんなには置いていかれます。

公共のバスで、ふざけて、降りるボタンを押したら、みんなで降りなければなりません。

大人はよく中途半端に『そんなことしたら次のバス停で降ろすよ。』と降ろす気もないのに、平気で嘘をつきますが、園では本当に降ろすのです。

大人の使う言葉は『本気』でないと子供に伝わりません。

そうすると、子供はだんだん大切な話を聞けるようになりますし、まだ、わからない小さな子に上級生が僕が『本気』だということをわかるように説明してくれたりします。

もちろん、子供も『嫌なことは嫌』と言えます。園では、喜怒哀楽のタブーはありません。

ここでは、誰も自分を隠す必要はないんです。」

ああ、なんか、ウルッときましたよ。いい話きいたなあって思いました。

誰も自分を隠さない。だから、みんな、ちゃんと相手を理解することが出来るのでしょうね。

この話を聞いた日、影響を受けたのか、私は子供と久しぶりに本気で大喧嘩し、「言い過ぎた」とお互い謝り、もっと仲良くなりました。(o^^o)♪

みなさんはどうでしょうね。

次回もお楽しみに。

※このブログシリーズは「さつきやま森のようちえん」の元保護者で、太郎旅の参加者でもあるライターの山田詩乃が、読者目線で、太郎さんに今、聞きたい事をインタビューし、まとめたものです。

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