園長インタビュー

【太郎さんのここが聞きたい!】VOL.1『森で暮らすようちえん始まりました!』

『森で暮らす(遊び×日本の古来の生活)ようちえん始まりました!』

※このブログシリーズは「さつきやま森のようちえん」の元保護者で、太郎旅の参加者でもあるライターの山田詩乃が、読者目線で、太郎さんに今、聞きたい事をインタビューし、まとめたものです。

「さつきやま森のようちえん」は2017年11月から能勢の古民家を再生させた「照乃ゐゑ」に、主の活動拠点を移しました。その経緯と太郎さんの思いをお伺いしました。

「実は今年の7月10日に、僕、森のようちえんを退園(辞職)しているんです」
太郎さんのHPむけに始まった、このインタビュー企画はのっけから、衝撃的な言葉から始まりました。

「内部の保護者とスタッフには言っていたのですが・・。いろいろ考えるところがあって、この時は、僕は旅事業に専念することにして、7月16日から世界中を周る旅に出たのです。

でも、サンフランシスコのフォレストスクールに足を運んだとき出会った女性の先生に、
『あなたの持っている自然観は日本人の持っている歴史そのものだよ』って言われて・・。

アメリカって、200年前にヨーロッパから人が入ってきて、インディアンの文化を駆逐して・・。

欧米人の考え方は、未だに、自然に対して、共生ではなく征服っていう考え方が根強く残っているのです。

それに対して、日本は2000~3000年、同じ民族が同じところにいて、基本的な自然観は変わってない。

だから、極端な話、3000年前の祖先から受け継いだものが、今、僕の中にある。具体的に言えば、里山の管理、きのこや薬草を採る文化、日本の食文化、全部、3000年間繋がっているものだって。

それを継承して行くことが僕の仕事なのではないかって言われてハッとしたのです。使命を感じた瞬間だったかもしれません。

僕たちにとって、当たり前のもの、引き継がれてきた歴史や文化が、アメリカやカナダにはないのです。確かにアメリカ料理、カナダ料理ってピンとこないですよね。

しかし、現代日本も、その良き文化が失われつつあります。もしかしたら、スタッフにさえ引き継げてないかもしれない。

僕は、旅を続けながら、どうやれば、欧米の人が羨む日本の文化や自然観を継承できるのか、考えました。

そして、自分がどうやって、そういったことを学んだかというと、上高地で毎日暮らす中で受け継いだことに気がついたのです。

つまり、大事なのは『日常』であること。今までも能勢の『照乃ゐゑ』で『火のワークショップ』を単発開催したりしていましたが、それは『非日常』。

そうではなくて、『火』なら『火のある生活を日常に』することが大事だったのです。

もし、『照乃ゐゑ』で森のようちえんができたなら、そういったことが可能になります。そして、僕の長男が本好きなのですが、本を読んでいても、移り変わる季節を肌で感じ、薪を割る音、ご飯の炊ける匂いがしてきて、何をやっていても五感で日本の文化や自然を感じることができる・・・。

そんな時、責任者として再び森のようちえんの園長に戻らなければならなくなって、どうせもどるなら『照乃ゐゑ』で、僕の使命を全うできるようちえんにしたいと考えました。」

では、改めて今までの森のようちえんとは、何が違うのか聞いてみました。

「今までは、森に、川に、畑に、『遊び』に行くようちえんだったのです。今度はそこに『生活』が加わりました。里山の日常の生活があるようちえんです。

だから、お弁当は持参せず、お釜でごはんを炊いて、味噌汁をつくって・・。

そうやって、日本の文化や自然観を受け継いで行く教育方針が加わったのです。」

なるほど!!すばらしい!!そんな中で子供が生き生きと育つとすれば理想的です!

が、同時にいくつか疑問が。
「どうして、一度、園長を辞職したの?
旅と森のようちえんを両立できるの?」
子供を預ける保護者としては気になるところですよね。

もちろん、しっかりお答えいただいております。
次回、Vol.2でしっかりとご紹介しますね。

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