取材予定日の朝、大阪北部に最大深度6弱の地震が起き、以前の神戸・淡路の震災ほどではありませんが、電車がほとんどストップして関西は大混乱に陥り、いまだ、警戒状態が続いています。
そこで、今回は普段からサバイバルに強い太郎さんが地震にどのように備えているのかお聞きしました。
「僕は、大災害が起きた時は『被災地の人数を減らす』ことが先決だと思っています。
被災地の人数が減れば、救済する方もしやすいし。
特に子供は、『健康的な暮らし』が出来るところに移動させなければなりません。
だから、僕は日本の他の地域で何かあれば、小さい子がいる被災者家族の受け入れをします。
また、僕自身が被災して、家に住めない状態と判断したら、交通やライフラインが機能している安全なところまで子供を連れて歩いて避難しますね。自分も家族も被災者のままだと、僕は、人助けは難しいと思うんです。
そういう意味からでも、普段から助け合える仲間が日本全国、世界中にいる事は強みとなります。」
「被災地の人数を減らすことの支援。確かに。言われてみれば大切なことですね。では、具体的には、普段からどんな備えをし、直後はどんな行動をとるのですか?」
「災害の規模や状態によって変わりますが、普段から、2,3日しのげる、食事や燃料のストックを常備しておくことが大事です。
まず、必要なのが、
【水】。普段からお風呂の水は残すようにしていますが、地震発生時に空だったなら、すぐに風呂桶に水を貯めます。
地震の時は水道管が破裂して断水になりやすいのですが、マンション等の集合住宅の場合、タンクの水から給水されているので最初のうちは水が出るのです。
きれいな水がもらえる給水ポイントも日ごろから頭に入れています。公共の給水車が来る場所ではなく、お寺とか井戸があるところです。
あとは、150リットル浄水出来るアウトドア用のモンベルの浄水器は便利ですよ。御風呂の残り湯や猪名川くらい水質であれば十分飲めますし、もし、安全な場所に移動するとき、15キロの水を担ぐのは大変ですが、これならコンパクトで持ち運びに便利です。
【食事】は、災害というとすぐカップ麺を買いに走りますが、普段食べられないものないものをずっと食べていては、健康を守れないし、片づける力も湧きません。
僕は、近隣の農家さんとお米や畑の野菜の年間購入の契約をしているので、米や野菜は常に確保できますし、
肉や魚は停電して冷蔵庫が駄目になったら、塩漬けにして保存します。
【燃料】はカセットコンロを15本。アウトドア用のガスカートリッジ5本、単三電池20本を常備。
今の時代、スマホはかかせないので、携帯電話を2,3日充電できる大容量のポータブル充電器も用意してあります。
あと、盲点なのが
【パスポート】
原発事故のように、しばらく日本に住めないとなれば、海外に避難がすぐできるようにしています。」
「パスポートは申請にそもそも時間がかかりますし、災害時となれば、なおさら難しくなりますもんね。では、子供達を預かっている時に、地震が起きたらどんな対応をされるのですか?」
「まず、照乃ゐゑでは、家具が少ないし、柱もしっかりしているので、倒れるものがなく、むしろ安全ですが、屋根から落ちる瓦には気をつけなければなりません。
だから、あわてて外に飛び出さないように言います。外にいても、軒先には近寄らないことです。
あとは、水は井戸があるし、燃料は薪があるし、ガスもプロパンなので、
避難するには最適です。
山では落石や土砂崩れに注意し、岩場から離れます。
河原では、ダムの周辺の土砂崩れなどで決壊しておこる鉄砲水が怖いので、土手にあがります。
でも、田舎では地震はそんなに問題はありません。それより、都会の方が危険です。
小学部の子たちが、博物館などを訪ねて大阪に出ることがありますから。
でも、今回みたいに電車が動かなくなっても、梅田くらいからだったら、歩いて帰れますけどね。リュックだし。途中、沿線に住む『森のようちえん』関係者の家で休憩したり、お寺を利用しながら。」
さすが、太郎さん!旅のトラブルを幾重にも乗り越えているだけあって、日ごろから準備万端です。子供達もそんな太郎さんのもと、サバイバルな知恵と魂を受け継ぎ、逞しく成長しているのですね。
※このブログシリーズは「さつきやま森のようちえん」の元保護者で、
太郎旅の参加者でもあるライターの山田詩乃が、読者目線で、太郎さんに今、聞きたい事をインタビューし、まとめたものです。
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