いよいよ始まりました、太郎さんと助産師の辻本有美さんによる「性と生のお話」
前回は、無意識に自分より相手を大切にしてしまうことについて、
改めて考えたのですが、第二回目はそれにつながる「同意」についてです。
有美:最近「同意」って言葉は聞いたことありますか?
山田「性教育においてですよね?犯罪の事件の時などに同意があったのかニュースなどで聞いた気がします。」
有美:性犯罪、レイプとかああいう感じのね。それ以外は同意を意識したことないですか?
山田「正直ありませんでした。でも、前回、“その人を好きということと、今はしたくない、その行為は嫌と言うことは別で良い”って話で同意の大切さを垣間見た気がします。」
有美:このお話は、入り口が性なんですが、ここでの気付きや大事しなければならないことって何も性だけではなくて、人間関係全般に関係する話なんです。
まずは「同意」という言葉ですが、「賛成すること。受け入れること。OK。」とか。
もう一つ大事な言葉は「バウンダリー(境界線)」これは「相手との安全な境目」という意味ですが、なんとなくイメージつきますか?
山田「私はセラピストの仕事をしていて、よく使うんですが、クライアントさんは耳慣れないかたが多いです。私はわかりやすく説明するときバリアのようなものと説明するんですが、有美先生的にはどうですか?」
有美:私もバリアとか、距離感ってよく説明します。人との物理的な距離も入ります。
山田「これ、間合いという言葉におきかえてもいいですか?」
有美:そうですね。大丈夫です。これをね、一個一個の出来事にたいして、自分はどのくらいの距離感がいいか考えてみるのも大事なんです。
そして、これらを性教育に絞り込んだのが「性的同意」です。これに関してイギリスの警察が作った良い動画があるので見てみましょう。
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[CONSENT for KIDS] 動画をご覧ください。
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これは、小さな子供のための「同意」の話なんですが、ごらんになった感想はいかがですか?
太郎:僕は、最近、息子にチューをするのが同意を得られないのですが、「アカンかった!」っとむちゃくちゃ反省しました。確かに、年齢もあがってきたら嫌だよなって。
有美:それ息子さんに言いました?
太郎:最近息子には嫌がられていたんで、してはいないんですが、わざわざ話してないです。
有美:詩乃さんどうですか?
山田「ものすごく響く動画でした。実は・・・(ちょっと長めの感想を言いました)。ともかく、これ凄く大事なことだと思います。本当に小さなうちから道徳教育の時間に入っていてほしいなって思いました。」
有美:嫌って言う方が悪いと思われていたり、嫌って思う私が駄目なんだって思う空気感って凄く至る所にあると思うんです。
小さなことだと見過ごされることも多いし、太郎さんがおっしゃったみたいに家庭内でもおこっていて、
親子関係が良い中でも、いいからこそ、そういうことって、よくあるんですよね。
「そんな、嫌と言わずに、これぐらい、いいやん。」
といって。
関係がいいのと、このことは嫌っ!というのを一緒にしてしまう感じ。
家でも、外でも、気をつけたら、そういう事いっぱいあって、
NOということをスルーしちゃう。
言った本人も、言われた本人も。
だから、こういうビデオをみることで、ふりかえってみたり、話し合ったりすることが大事だと思うんです。
あのとき、相手が嫌と言っていたのを受け止めなかった申し訳なさ。
NOと一旦言ったのに、「嫌って言わないでよ。」と言われたから、やってもいい事にしてしまった、自分の気持ちをなしにしてしまった後悔。
その感じを話し合ってみることが大事だと思うんです。
だから、太郎さんがさっき、言ったみたいに反省していると思われたなら、良いチャンスなので、後になっても息子さんともう一回話し合ってみるのが大事だなって思うんです。
「愛情表現だからまあいいや。」
としないで、
「NOという意見を尊重してなかったね。」
ということを話す良い機会、良い気付きになるとおもうので。
それと、
動画の中で、キスを求めるおばさんに対して、子供がちゃんと、
「キスは嫌だけど、バイバイだったらしてもいいよ。」
と違う案を子供が出してきたシーン。
自分を大事にするのでNOと言いました。
でも、おばさんのことも大事にしたいので、
お互いを大事にできるアイデアを子供が出しましたよね。
自分ばっかりでもなく、相手ばっかりでもなく、お互いを大事にするにはどうしたらいいのだろうと考える。
ここが、この動画のいいところだなって、私は思いますし、小さなうちからできたらとてもいいなと思うんです。
さらに、動画の中から、大切なフレーズを抜き出しました。
【Consent for kids】
- あなたのからだ。それをどうするかはあなたが決めることです。
- あなた以外にだれにも、あなたの体をどうするか決める権利はありません。
- 何がいいかは、みな自分で決めることができる
- 相手が同意しているか知るにはどうしたらいいかな
- 大人が間違っていることもある
最後の、大人が間違っていることもあるというのも、あらためて、子供が認識しておく必要があります。
どうしても、ちいさいうちは、無意識に大人は正しいと思い込んでしまうことがあるので。
親が正しくて自分が間違っていると思うと、
自分のNOがいえず、
自分が悪いんだと
なってしまうので
「大人だって間違うことはあるから、自分の意見を言っていいんだよ。」
と教えてあげることが大事です。
太郎:本当に小さな子供のうちは出来ていたと思うんです。
自分の嫌なことは嫌と言えていた。
なのに、だんだん、言えなくなってくる。
だから、こういう話を、二度三度と繰り返し聞くことで、
本当に素敵な人間関係つくれるようになるなって思います。
今回の動画なども下記のサイトからご覧いただけます。
性教育のインタビューブログ及び動画をまとめたサイト。
過去の分もページの一番下に一覧にしてあります。
このブログシリーズは「さつきやま森のようちえん」の元保護者で、太郎旅の参加者でもあるライターの山田詩乃が、読者目線で、太郎さんに今、聞きたい事をインタビューし、まとめたものです。
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