【空飛ぶ園長コラム】『五感の力』

今日、私は幸せを感じました。
春が来たことの幸せ。

春が来て幸せって思う人は多いかな。
桜が咲いたり。
暖かくなったり。
何かウキウキしたり。

五感を使って人は春を感じます。決して今日の温度は20度だから春だなって思うことはない。測った温度は目安にはなるけど、20度という言葉が春とつながることはないかなって思います。

今日私は、五感のうちのたった一つで春を感じました。

梅の花の香りではなく。

アマダイの桜蒸しを食べたからでもなく。
※春にしか出ないとっておきのメニューなんです。

よもぎが生えて来たのを見たからでもなく。

暖かい風が頬を伝ったからでもなく。

鶯の声を聞いたわけでもありません。

コンサートホール。
その椅子に座り、目を閉じ、ただ聞こえてくるピアノの音から感じたんです。

そう、今日はピアノのコンサートに行きました。実はクラッシックを聞くのが趣味でして。

演奏家が、
「春をイメージして即興で弾きますね。」
って言って弾き始める。そこにあるのは鍵盤と演奏者だけ。
そこから音に乗せてイメージが飛んでくる感じだった。

春の野のイメージや風のイメージ。花の香りまでもが私の脳裏にしっかりと浮かんで来たんです。
目を閉じていて見える景色。

たった、一つの聴覚という感覚を使って感じる春。
建物の中で、音を聞いただけで演奏家の春のイメージが伝わってきます。

幸せでした。
その場に自然がなくっても、演奏家の中にある自然が私の中に伝わってきて。

人はどんな時に幸せを感じるんだろう。
その代表的なものが五感を使った時なんだと思います。

さつきやま森の学び舎&ようちえんでは、子どもたちがその五感をフルに使っている。

古民家のある能勢にいる時、子どもたちは何をしていても五感を働かせている。
本を読んでいたって、風を感じ、鳥のさえずりを聞き、飯の炊ける匂いがして。

常に五感を使って情報を取っている。この状態が私はとても大切だと思っています。
コンクリートの建物の中にずっといて、エアコンがかかり、人工的な音のしているところでは育っていかない、五感という感性。

だからこそ、子どもの時にその感性を思いっきり成長させてあげたいって思うんです。もちろん大人になってからもある程度は伸びますが。

自転車に一度乗ったらずっと乗れるように。子どもたちが五感を使うことを一度覚えたら、使わなくても思い出せる。

使ったことのない筋肉は使えないんです。五感も一緒。

本物の自然の中でしか、人間の本来持っている五感っていう感性は育ちにくいなって思います。

春の野に出て。
それだけで、子どもたちの五感は育っていく。
それを日常にしてあげる場所がさつきやま森の学び舎&ようちえんっていう場所です。

空飛ぶ園長 太郎

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