園長インタビュー

【太郎さんのここが聞きたい!】VOL.79 性と生のおはなしシリーズ#1 「性のおはなし 子供たちにどう伝えるか・後編」

 

いよいよ始まりました、太郎さんと助産師の辻本有美さんによる「性と生のお話」

第一回目子供たちにどう伝えるかの後編、いよいよ、これからの子供たちに性について

何を伝えたいか、どう伝えたいか、伝えるために大切なことの核心にせまります。

 

トピック1【自分と相手の世界は違うと知って、自分も相手も大切にする】

 

有美:前回の話、どう思いましたか?

山田「正直、ショックでした。特に最後のあたり、好きになったら触れ合いたいということもわからなくなっているということですか?」

 

有美:そういうこともありますが、好きなって触れ合いたくなっても、情報が入ってないとこういうことが起きることがあるんです。

 

例えば、以前男の子から受けた相談ですが、つきあっている女の子とそういう雰囲気になって、いざ、SEXしようとしたら、陰部に毛が生えていてショックだったという相談を受けたことがあるんです。

 

恐怖に思うぐらい驚いたって。AVの女の人には毛がなかったって。いままで見ていたAVがそうだったら、それが正しいとおもってしまっているんです。

 

山田「AVが教科書なんですね・・・」

 

太郎:ちゃんとした教科書ないじゃないですか?AVか漫画しか情報源がそこになりますよね。

 

有美:お母さんには生えているんちゃう?って私言ったんです。そしたら、お母さんは違うんだって。女じゃないと。(笑)

 

それって、自分の見聞きした世界がすべてだと思い込んだことからも来ているので、

 

・自分の世界に枠があることを知る

・自分の世界と相手の世界は違うことを知る

 

そして、その上で

 

・自分を大切にするとはどうすることか

・相手を大切にするとはどうすることか

 

が伝える上で大切なことになってきます。

 

海外の人は「他人に迷惑さえかけなければ自由に好きなことをしていい」と思う人が多いんですが、日本人はこの「他人に迷惑」の範囲が広くて、自分より相手を大切にしてしまうんです。

 

特に子育て中の親に多いんですが、自分のことをさしおいて、自分を犠牲にして子供のことを先に先にする。

 

太郎:多いですよ。真面目なお母さんほど多い。

 

山田「正直、自分をさしおいて子供のことをすることが良いか悪いかわからないです。」

 

有美:わからないですよね。

例えば、こんな相談を受けることも多いんです。

お母さんがトイレに入っているときに、

ドアを開けて入ってきてしまう子供に対して、

嫌なのに嫌って言ったらだめって思っているお母さんが多くて。

「嫌って言ったらいいやんか。」

と伝えても子供にそれをどうしてもいえない。

 

自分のプライバシーのところは入ってきてはだめって教えて良いはずなのに、

 

相談に来るぐらい嫌なことなのに、

子供に言ったらかわいそうと思って

自分が我慢してしまうんです。

 

でも、これを良しとしてしまうと、その子が男の子だったとしたら、

そのままいきますよね。

じゃあ彼女ができたときにどうなるのかなと思うんです。

お母さんはよかったのにってならないかなって。

 

山田「それは、さすがに生育していく過程でわかってこないですかね?」

 

有美:でもね、女の子に無理強いして

「好きやったらそれぐらいして良いやんか。」

っていう男の子多いですよ。

「だって、好きなんやろ。好きやったらそれぐらいやってよ。」

みたいなことってありますよ。

嫌なものは嫌ってちゃんといえないといけないというか。

いくら愛している人にでも。

 

山田「好きだったらそれぐらいしてという思考って、親子関係からきているってことですか?」

 

有美:そればっかりではないでしょうが、一番身近な異性ですからね。なんでも言うこと聞いてくれる世界に生きていて、全部、子供のためにやってくれるお母さんで、嫌といわれなかったら。そんな風な考え方になっても不思議ではないですよね。

 

山田「性的なことでなくて、仮に「お母さんならこれくらいやってくれていたよ」って言われたら、

超マザコンだってすぐ分かって、引いてしまいますが、

 

「好きだったらなんでもしてくれるはず」っていう発言も実は同じことで、お母さんがなんでもしてあげることからそうなってしまうかもしれないんですね

 

有美:同じような話で、小さな子が

「僕にはおちんちんがあるけど、お母さんにはない。」

と男女の体の違いを不思議に思って、お母さんに質問して、見せてって頼んだんですって。

そのお母さんは、ものすごい嫌だったんですが見せたそうで、でも、

それは息子の教育のためによかったんですよね?

という相談だったんですが、それこそですよ。

その男の子、大きくなったら、彼女に見せてっていうんじゃないかって思ったんです。

 

この後、3人でここでは書けない内容でもりあがり・・・。

 

有美:この話は次回の第二回の「同意」というテーマにつながっていくんですが、

 

好きであるというのと、これは嫌だというのとでは別なんですよね。

愛しているから嫌でもやるっていうのは違う。

いくら好きでも、おしっこするのは見られたくなくていいんです。

そこが、一緒にくっついちゃうのが、おかあさんと子供の関係で結構あるなって思うんです。

 

太郎:お父さんと娘でもありますよね。

 

有美:もちろんあります。親は最初につくる人間関係なんで。

 

トピック2【自分のからだを知ろう 生まれた時の話をしよう】

 

有美:何からはなしたらいいかですが、男女の体がどうなっているかと言う話と

その子の生まれたときの話を小さいうちから何回でもしてあげる。

これは難しくないかなって思います。

 

トピック3 【3つの原則 「うそをつかない、逃げない、怒らない 」】

 

有美:生まれた時の話をするとき、質問されたときに絶対に嘘はつかない

 

山田「コウノトリが運んできたとか・・・。」

 

有美:そう、嘘をつかない。逃げない怒らないも守った方がいいです。

急に不意を突かれた質問をされるときに

「なんで、そんなこと言うの?」

と戸惑って、逃げたり、怒ったりあると思うんです。

で、また、料理つくっているときとか、

今からでかけよう準備している

本当に忙しい時に限って、きいてくることがあるんですけど

そんなときに、時間がとれなかったら逃げたり怒ったりしないで

「とっても良い質問だから、かえってきたらゆっくり話そうね。」

と言ってスルーしない方が良いと思うんです。

チャンスなので。

おっきくなるほど、チャンスはなくなってくるから。

小さいときほど、このチャンスをつかんで話すきっかけをもったらいいと思います。

 

絶対に、タブーにしない。

ちゃんと向きあっていたら、

 

彼氏彼女ができても、タブーのない親子関係なら

相談してくれるので。

 

トピック4 【困ったときのお助け本】

・あ、そうなんだ!性と生 幼児・小学生 そしておとなへ 浅井春夫(著)エイデル研究所

・性の絵本

・あかちゃんはどこから来るの? のじまなみ(著) 幻冬舎

 

これは、こっそり置かないで、

「この本は、すごく体のこととかちゃんと知りたいことが書かれているから、読みたいときに読んでね。」

って伝えておくと、子供はちゃんと、読みたいことを読みたいところから読むので

一緒によんでもいいし、簡単に伝えられると思います。

 

幼稚園からでも、中学生でも、大人が読んでもへーと思う内容です。

 

太郎:自分に正しい知識がはいってくるので、ちゃんと話ができるというのがすごく良い。動画もみてもらって、腑に落としてもらって、子供とも周りのひとともコミュニケーションしてもらったらいいと思います。

 

有美:もし、この動画をみて、どう伝えたらいいか分からないときは、

わからないとか、わかるけど、どうつたえていいかわからないと

とちゃんと言って、先生に聞いてみるねと言ってもらったらいいです。

それは逃げることにはならないので。

 

 

このブログシリーズは「さつきやま森のようちえん」の元保護者で、太郎旅の参加者でもあるライターの山田詩乃が、読者目線で、太郎さんに今、聞きたい事をインタビューし、まとめたものです。

 

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