園長インタビュー

【太郎さんのここが聞きたい!】 VOL.63 いじめがおきたら太郎はどうする

前回、太郎さんは、今日一日幸せになる朝活ZOOMミーティングをスタッフにむけはじめ、保護者や一般にも向けてやっていきたいと思っている話と、

元ソニーの上席常務で工学博士の天外 伺朗さんこと土井利忠さんの「教育の完全自由化宣言・こどもたちを救う七つの提言」から、大脳新皮質ではなく、古い脳といわれる部分を刺激する教育の大切さを改めて実感した話でした。今回は、さらに、それをベースにいじめのことについて語ってくれました。

 

太郎:いじめの問題なんですけどね。通常の学校だったら、いじめる子といじめられる子の中で、話し合って、ルールつくって、問題解決するって感じだと思うんです。

でもね、いじめの根本は、いじめる方のストレス。

さかな君が言ってましたが、メジナっていじめをしない魚なんですって。

ところが、水槽にいれるといじめがおきる。

それで、いじめられた子を別の水槽に移すと

残ったメンバーでいじめがおきるんですって。

水槽にいれられるのがストレスなんです。いじめることで、そのストレスを紛らわせて一時の安心を得ているんですね。

だから、人間社会でも閉じ込めればいじめがおきるのは当然ですし、

ルールをつくればつくるほど、余計にいじめがおきる構図ができます。

 

問題を解決するには、その問題を解決しようとしてはいけません。

スポーツとかも一緒です。

より良い成績をあげようと、ここがだめだ、あそこがだめだとフォームを改善しようとすればするほど

崩れていきます。

そうではなく、

キーワードは

「楽しさと心地よさ」

大脳新皮質をよくしようとせず、古い脳を心地よくさせるんです。

 

それにはまず、

短絡的にものをみないこと、

一喜一憂せずに、

長期的な視点が必要になってきます。

 

「森の学び舎でいじめはないのですか?」

太郎:世の中で問題になっているいじめは構造上ないかもしれません。

 でも、人が集まる以上、強いもの、弱いものは生まれます。意見の違いも生まれます。

 まず、

 スタッフが長期的な視点で見守れるので、

 誰がいいとか悪いとか決めつけがないで、安全を確保しています。

 場所が広々しているので、

 嫌な相手とは無理やり一緒にいる必要もない。

 言い返す機会も自分でつくれます。

 臭いものに蓋をしません。

 状況によっては、子供達で話し合いの時間を持ちます。

 

「話し合いは、大脳新皮質的なのでは?」

 太郎:それが違うんですよ。

 まず、スタッフが無理やり解決しようとはしないんです。そして、

 彼らは、多数決をしません。まして、正しいという理念もないし、無難になんて収めません。

 少数意見を大切に拾うんです。

 森の学び舎は全員名前で呼び合っていますが、

それは、個性をみとめている証だと僕は思います。

「ドラえもん」の、のび太君はいじめられていないって意見があるんですよ。だって、ジャイアンはちゃんとのび太って呼んでるから。のび太の個性を個性として受け入れて

遊んでいる。

森の学び舎の子は、優劣ではなく強いも弱いも個性として受け入れ、

大脳新皮質を使う話し合いではなく、古い脳の部分で話し合うんです。

 

「つまり、感情や感覚といったところですね?」

 

太郎:そうです。いじめは優劣や評価から生まれます。良い悪いがいじめの始まりです。

だいたい、時間の概念、流れ方が他とは違うんです。

細かなカリキュラムがないからこそ、

「この子にとって、最善の時間はなにか?」

を大切にできます。

子供の成長や考えを大事にするときに

後には回せない時ってあるんです。

お金がとりかえせるけど、時間だけはとりかえせない。

 

「具体的にはどんなことがあったのですか?」

太郎:フライドポテトをジェンガみたいに積み立てる企画があって、

そのあと、食べることになっていたのですが、

鼻くそをほじるのが好きな子がいて、

「鼻くそほじる人とこの作業はしたくない。」

って意見が出て、

 

「もっともですね。」

でも、鼻くそをほじるのは権利だって言いだして、

まあ、少数意見でしょ?普通だったら、鼻くそほじる方が悪いっていわれますよね。

でも、彼らは、最終的に鼻くそほじる子は悪くないから

でも、一緒にはやりたくないから、

数を数えて分けてやったらって方法を、思いついたんです。

それも、

アツアツのポテトがさめていくのを横において、

時間かけて話し合って、

そのやりとりを見ていた子が暇だったから、

思いつけた。

暇って、すごいんですよ。

みんなの個性がみとめられる意見を生み出せるんですから。

一見無駄なもの、少数意見こそ、価値があるんです!!!

みんなの心が納得するまで話し合うと、良いものができるし、楽しくすごせるし、

後でトラブルもすくないし、結局時短になるんです。

 

「では、もし、森の学び舎で深刻ないじめがおきて、保護者から相談されたらどうしますか?」

太郎:いじめをする子は一番ストレスがかかっています。

なんでいじめをおこすぐらいせっぱつまっているのか?

いじめている子と話しますね。

知ろうとします。

信頼して。

信頼し続ける。

ジャッジも評価もしない。

根本の環境のストレスを少なくして、

畑で一緒に野菜とって、あったかいご飯でお腹をみたして、

そういう人間として当たり前のことをして、

焚火みながら、核心にふれない。

 

「核心にふれないんだ!!!」

太郎:幸せにしてあげてストレスがぬけていったら、自分から言うんじゃないかな。

大脳新皮質で会話すると嘘つかれちゃったりします。

でも、美味しいものたべて、焚火見て、古い脳にスイッチが入る環境つくってあげたら、

本当のこと話しますよね。

火は、獣を遠ざけてくれるから、人って安心するし。

なんだろうな。

本当は親がそうしてあげられたらいいんだけど、

もしかしたら、

その親が一番、気が付かない間に、ストレス与えているかもしれませんね。

旅に連れて行ってあげたい・・・・。

 

「子供も、親もですよね。ちょっと、想像以上に良い話で、ものすごく、感動しました。世のおかあさんに届くといいのですが。」

太郎:だから、結局、お母さんが幸せになることが大事なんですよ。朝活です!朝活!!!

 

このブログシリーズは「さつきやま森のようちえん」の元保護者で、太郎旅の参加者でもあるライターの山田詩乃が、読者目線で、太郎さんに今、聞きたい事をインタビューし、まとめたものです。

 

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