園長インタビュー

【太郎さんのここが聞きたい!】VOL.116 「後継者候補見つけました!」

2030年に森のようちえんから引退を考え、自分の後継者選びに悩んでいた太郎さん、森の学び舎の活動場所である照乃ゐゑに車でむかっているときに良いアイデアが浮かんだそうです!このインタビューが投稿される頃には情況が変わっているかもしれませんが、9月28日現在のご報告です。

 

太郎: 今回は後継者について進展があったのでお伝えします。まず、後継者について考えていたときに、仮に、次の人が見つかっても、また、その人が引退するときに同じ問題が起きるなって思ったんです。大変だなあって。

 山田「まさに、世の中で起きている中小企業の後継者問題がそれですよね。子供がからみ、創設者の思いが強いオルタナティブスクールはみんなぶつかる問題ですね。」

 

太郎:そうなんです。後継者に僕が求めるのは

「学び舎の教育方針を維持しつつ、時代にあったものにアップデートしていく」

ということ。

外から来る人に一からそれを教育するのがまず大変。途中で無理ですっていわれるリスクもあるし。一人で判断してもらうには荷が重い要求だし。かといって、理事を複数用意するというのもなあ。

そもそも、そういう人を探すのが大変だし・・・。そうそう、条件に合った人いないなと思っていたときに、

「条件に合うメンバーがいる!」

ということに気付いたんです。

 

山田「まさか」

太郎:そうです。中高部のメンバーです。

「わざわざ、教育しなくても、中高部がいるじゃないか!」

と気付いたんです。

学び舎のコミュニケーション方法も知っている。6年以上その教育方針を学んでいて、その時代に必要なアップデートも、彼らがどうしたらいいか一番わかっている。

 

山田「でも、前々回に、中高部のメンバーには10年くらい、外で経験させてからでないと任せられないって言っていましたよね。」

太郎:僕の代わりを誰か一人に任せるわけではないんです。今回、僕が思いついたのは、

中高部全員で僕の代わりをしてもらうということなんです。

 

山田「森の学び舎の運営を彼ら全員で舵取りさせるということですか。」

太郎:そう、中高部が組織を運営すればいいと気付いたんです!

そして、卒業と共に、次の世代に受け継ぎます。生徒会みたいなもんですね。

そうすれば、森の学び舎の中高部に生徒が入ってくる限り、後継者は自動的に次々と生まれつづけるんですよ。継続性があるんです。持続可能なんです。すごくないですか?

なにより、彼らは学び舎が好きで、やっとたどりついた、大切なこの場を守ることに思いがあるし。

 

山田「確かにそうですね。でも、中高部が自発的にやりたいことが出来るまで待つと言われていましたが?」

太郎:だから、後継者問題に悩む一人の経営者として、彼らのポテンシャルを信じて提案をしたんです。昨日。

 

山田「昨日!採れたてほやほやのニュースですね。どう言ったのですか?」

太郎:「君らを対等な人として信頼出来るから、森の学び舎の経営者としての悩みとアイデアを伝えるよ。」

と言って、2030年に僕が引退すること、

このままだと2024年の新入生が最後なので来年の今頃までに後継者を決めないといけないこと、後継者がいないと学び舎がなくなることを伝えました。そして、

「僕は中高部が後継者になってくれたら良いと思うんだけど、ここで経営をやってみるのはどう?年末までに答えをください。」

と正式に依頼したんです。

 

山田「中高部の子はどういう反応でしたか?」

太郎:自分達の大切な居場所、後輩達にとっても大事な場所がなくなるのは困ったなという感じでした。

でも、それより、

「僕たちがお金を稼げるの?」

「スタッフのシフトを決められるの?」

ということに興味を持ったみたいです。

 

だから、僕は、

「中学生までは義務教育だから無理だけど、高校生からは安全研修を受けてくれたら、学び舎のスタッフと同じく働けるので、お金が受け取ることができる。」

ことを伝えました。

実際、小学生の子供と同じくらいに走れたり、コミュニケーションをとったりするのは彼らが適任です。

  

スタッフのシフトについても、スタッフのことと全体のバランスを考えるならやれることを伝えました。

それで、早速、11月のシフトを試しに組んでもらう事にしたんですよ。

 

山田「大人でないと出来ないことはあるでしょうか?」

太郎:車の運転です。それは、大人のスタッフでしかできません。

 

山田「太郎さんがやってきた、対外的なものは?」

太郎:順番でもいいし、誰かやりたい子、得意な子がやればいいと思います。

税理士さんも、学び舎に関わる大人は、面白がって受け入れてくれる方ばかりですし。

 

年間予算2000万の組織を彼らだったら、どうするのか楽しみです。今までも、お金の使い方はシビアで、いかに自分達が楽しむために大切に使うか考えてきたので。

 

山田「株式会社高校生につながる?」

太郎:それはまだ、わかりませんが、まずは、僕からの依頼で動きがあったのは確かで、

この話をした後、スタッフへの対応が丁寧になったり、お手伝いがしてくれるようになった子がいました。

立場が人をつくるといいますからね。すごく、成長するのではないかと思います。

子供達が受け入れてくれたら、僕も、相談役になる日も近い(笑)

 

山田「スタッフの反応はいかがでしたか?」

太郎:「面白いですね。」

といって、今のような具体的にどうしていくかの話ができるんです。

不安を口にするスタッフがいないんですよ。これが、外から人がくるとなると

 

「あの人、大丈夫?」

となる可能性が高い。

 

子供達の成長を近くでみてきたスタッフが「いける!」と思えるなら、この話はうまくいきそうだと感じています。

 

このブログシリーズは「さつきやま森のようちえん」の元保護者で、太郎旅の参加者でもあるライターの山田詩乃が、読者目線で太郎さんに今、聞きたい事をインタビューし、まとめたものです。

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