園長インタビュー

【太郎さんのここが聞きたい!】VOL.100 「●●●●●が難しい時代」

 

そもそも、情報社会が進んでいたところに、コロナ禍で、一層、インターネットが普及し、バーチャルの世界で子供が普通に遊び始めた昨今、自然の中でフリースクールを行っている太郎さんに、何が難しく、何を大切にしたらいいのかお聞きしました。

 

太郎:人間が本質的に欲しいものは

「幸せ」とか「健康」とか

あまり変わっていません。

 

山田「確かに、神社仏閣へのお願い事とか見ればわかりますね。」

 

太郎:ただ、幸せになる方法が時代によって違うんです。

今の子供たちと親世代のギャップは

もちろん、どの時代にもあることですが、

これだけ、時代が進化している今、

親世代の価値観を押しつけることは一層難しい時代です。

 

買い物の仕方一つとっても、お金の払い方は、僕たちの親は

リアル店舗の現金払いか、せいぜいカードだったのが、

僕たちは携帯で支払うようになり、

子供たちの世代はデジタル通貨が当たり前になるかもしれない。

 

自分が知らないからと子供が興味関心を持ってすることを妨げないことを大切にしています。

 

山田「会社運営についてはどうですか?」

太郎:ちょっと前までは、自分とお客様、スタッフ、業者さん、

会社に関わる人が幸せであったら成り立っていました。

 

ところが、今は、

自然環境を守る意識がない会社は生き残るのが難しい。

だって、地球が壊れてしまったら、人は幸せになれないですから・・・。

 

山田「それだけ環境破壊が深刻になってきたということですね。」

太郎:地球にとって人間ががん細胞の様な存在から

人間が地球にとって良い存在へ

シフトチェンジが必要です。

地球を幸せにする会社が生き残ると思っています。

 

山田「社会がAI化し、ロボットが人間に成り代わる事に関してはどうですか?」

太郎:人は一人では幸せになれません。共有するから幸せになれるんです。

そういう意味で日本は昔から、「鉄腕アトム」「鉄人28号」「ドラえもん」など

漫画でロボットが人間と共存するイメージを持っています。

 

一方、欧米はロボットやコンピューターが敵になる映画って多くないですか?

「ドラえもん」に会いたいと憧れた子供が次々と大人になる、

日本人はロボットと共存する未来をつくれる気がします。

 

ただ、情報社会の弊害は深刻です。

情報があふれているために

「自分で在り続ける事」が難しいです。

 

今、自分の信じていること、語ることが

自分の本当の考えだったのかが、

わからなくなってきます。

 

そもそも、日本は教育現場から

同調圧力もすごいですし、

「自分を保っていられるか?」

は大きな課題です。

 

森の学び舎に途中から

入学した子は、

時間をかけて

「自分で在り続ける事」

を取り戻していきます。

 

そのために、

自分を出しても大丈夫な場作りを

しています。

 

新人スタッフも同じです。

 

ここでは、

自分であり続けてきた子供たちばかりなので、 

大人だから、スタッフだから

の視点で動いていたり、とりあえず、まわりにあわせて行動すると、

 

「あなたは、本当はどうしたいの?」

と問いかけられます。

特に、子供たちは、

自分を持っていないスタッフが

気になるようで、

スタッフが隠しておきたい所まで

ついてきます。

 

「そういうことを言ったら、人が傷つくと思わない。」

と諭してみてもだめです。

 

子供たちは自分に本気になって欲しいだけだから

ストレートに気持ちを表現することを要求してきます。

 

だから、子供に気に入られようとするスタッフほど疲弊します。

おとなぶって、

「自分は我慢して、子供たちのために頑張る。」

なんて思っているとなめられて、容赦ない要求がエスカレートしていきます。

 

山田「では、子供達はどんな大人が好きなんですか?」

太郎:森の学び舎の子供達が好きな大人は

「本気で関わってくれる人」

本気で笑って、泣いて、怒って、一緒に遊んでくれる人に心を開きます。

 

子供の頃、大人に子供だからと手を抜かれるとムカつきませんでした?

大人気ないぐらいの方が好きになったでしょ?

 

別に、森の学び舎に限ったことではありません。

普通の子供だって、そうだし、

大人の社会でも、人気のある人って

自分の意見を言える人ではないですか?

 

山田「確かにそうですね。だって、そういう人は嘘をついてないから・・・。」

 

太郎:自分に嘘をついて「いい人」で生きていくのは本当に大変です。

でも、日本人は、「いい人」が多いですからね。

世界になめられてしまっています。

そして、きっと、どうしてなめられるのかもわからないでしょうね。

 

だって、学校で会社で、

「自己犠牲していいことをすることが幸せになること」

と思い込まされていますから。

 

山田「情報化が進んで、こういった情報を目にすることができれば

息苦しさから解放される人もいるかもしれませんね。」

 

このブログシリーズは「さつきやま森のようちえん」の元保護者で、太郎旅の参加者でもあるライターの山田詩乃が、読者目線で太郎さんに今、聞きたい事をインタビューし、まとめたものです。

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