いよいよ始まりました、太郎さんと助産師の辻本有美さんによる「性と生のお話」
第一回目は「子供たちにどう伝えるか」前後編にわけてお伝えします。
性はコミュニケーションの話
太郎:性の話って子供の頃からタブー視されているじゃないですか。
でも、有美さんからお話を聞くようになって、
自分から性の話も出来るようになって、自分もウブからだいぶ卒業できるようになったし、
大事な話なんで皆さんにお伝えできればと思ってこの場をつくることにしました。
山田「第一回目は性のお話をどう伝えるか?ですが、本当にわからないです。コツとかあるんでしょうか?」
有美:確かに、私も性の話をどう伝えるかって質問されることが多いんですが、子供にかけ算や、ひらがなの書き方ってどう伝えれば?とは悩みませんよね。どうして、みんな、性だけ、改めてカチッと堅く構えるのかなって。今日のお話でそれが溶けて、楽しみになって、コツをつかんでくれればいいなと思います。
まず、いきなりですが、私の中の結論をお伝えしますね。それは
「性の話はコミニケーションの話」ということです。
コミニケーションはラテン語で「分かち合うこと」「共有すること」というのが語源なんです。
おしつけ、禁止ではなく、対話するっていう意味です。
性の話も、教えたり、押しつけたりするのではなく、
「こんな感じ、どう思う?」
と分かち合う感じでするとちょっと楽になるかなって思います。
同じく、このシリーズでも、教えたり、押しつけたりするのではなくて、
私の考えを分かち合う感じで進めたいと思っています。
どうして、性の話は難しいのか?
有美:まずは、どうして、性の話が難しいのかですが、
それは、私たちが性教育をあまり受けずに育っているからなんですよ。
山田「確かに、全然ですよね。しかも、本質的なことは何も教えてもらってなかったかも。」
太郎:男子はその時間、別室で遊んでましたね。
有美:算数や国語のようにちゃんと教えてもらっていれば、どうやって学んでいるか覚えているから子供に教えることができるんですが、日本では、性教育をちゃんと教えてもらってないから親は子に言えないんです。
日本と世界の性教育事情
有美:まずは、世界との性教育事情の違いをお伝えしておきますね。
「性的同意年齢」(性行為をちゃんと理解してやりたいかどうかを決められる年齢)
というのがあるんですが、日本では何歳だと思いますか?
山田「ドラマで中学生の子がお母さんになるという話があったので、15歳とか?」
有美:実は13歳から可能なんです。13歳になって、同意があれば、性行為をしても罪に問われない。
でも、アメリカでは18歳からで、世界でも13歳みたいに低いのは日本ぐらいです。
大体世界の他の国では16歳から18歳が性的同意年齢です。ということは、日本では13歳までに、性行為を理解して自分で判断できるようになっていなければなりませんよね。
なのに、日本では性の教育はほとんどされないのに、性的同意年齢は13歳と低いという変なことになっているんです。
山田「どういうことなんでしょうか?」
有美:明治から変わってなくって、どうして13歳から調べてみたら、月経が始まる頃だからという理由しかみつからなくて。
だから、性の話を先延ばしにしたい親の気持ちはわかるんですが、13歳で何かあったときに、性的同意年齢があると判断されてしまうので、
小学生の間にある程度の知識を伝えておくのは大事なことだと思います。
しかも、(レイプなどの)事件になったときに、日本では、死に物狂いで抵抗したかを証拠があって証明できなければ同意したと見なされる。
世界は、NOはNOで。嫌っていったら、同意はないって認めれられるんですが。日本では裁判やっても、なかなか難しい。
進まない日本の性教育
有美:では、思春期にある子供達にどのくらい性の知識があるのかアンケートをとったのですが
例えば、膣外射精が確実な避妊の方法ではありませんが、確実な避妊方法と言った高校生男子はどのくらいいるか?
結果は22%です。さらに、 わからない18% 質問の意味がわからない5%とあわせると45%はまちがっていて、大学生でも30%を超えた人が間違った答えをします。
それぐらい、あやふやで。他にも性感染症にかかったら必ずしも症状が出るわけではないのですが出ると答えた女子高校生は5.8%、わからない37.6%、質問の意味がわからない2.8%で、やはり、約半数の子が答えられないという事情。
ということは、まだまだ教えて行かないとだめだし、危険もいっぱいということです。
さっき、日本は性同意年齢が低いのでより小学生の性教育の大切さを言いましたが、
2018年のデータでは14歳以下の出産した人は37人もいるし、中絶だと190人。性の知識がないなかで、こういったことになっているような現状があるんです。
どう伝えるかと悩むよりも、もう、はっきり伝えていかないとだめです。危機感というより、伝える責任を感じます。
寝た子を起こすな
有美:日本は性のお話に対してタブーの雰囲気があって、性教育をすすめようとすると「寝た子を起こすな」的なことが言われがちですが、どうしてだと思いますか?
太郎:僕は男性的な発想な気がします。勝手な思い込みかもしれませんが、女の子を持つ父親だったら、自分の娘だけはまだ伝えたくない。
早く教えてそんなことになっちゃったらと心配するんじゃないかと。それに行政の長とかは男性がおおいし、女性は自分の体を知ってるけど男性はしらないので、ふれてはいけない領域な気がするのではないのかな。
山田「私は、そういう話をおおっぴらにすることがはしたないと言われた気がしますね。そもそも、日本には風姿花伝にみられる「秘すれば花」という隠す美学の文化がある、慎ましいといった価値観と関係する気がするんですがいかがでしょうか?」
有美:実はエイズが流行ったときに、日本でも性教育ブームが起きたんです。
小学生にもちゃんとしたことを伝える動きになっていたんですが、2000年を超えてから議員さんで、学校で性教育することを「けしからん、はしたない」と学校に対してバッシングした人がいて、結果的にバッシングした方が間違ってるという結果になったんですが、
議員が学校に性教育をバッシングしたという事実の方を重くうけとめて、また自粛の方に傾いたんです。誰かがいったことに日本は染まっていくというのがあるのかもしれません。
セックスに関心がない。もしくは嫌悪している
有美:私たちの時代は、性欲さかんな男に対して女性がどう身を守るかってイメージの方が強かったのですが、
実は、今は、セックスに関心がない、嫌悪しているという人が増えてきていて、寝た子を起こす心配よりも、寝っぱなしの子をどうしたら起こせるのかということが問題になってきているんです。
山田「TVとかでも昔はお色気番組とかあったのに、変わってきましたね。」
有美:そうなんですよ。性的に交わるのが怖いとか思う人も若い子で多くて。女の子と付き合うのが怖いとか。増えているんですよ。
だから、16歳から19歳で、「セックスに関心がない。もしくは嫌悪している」かをアンケートをとったら36%ぐらいいるんですって。むちゃくちゃ多くないですか?
こういうことが少子化とかの原因になっていくし。ちゃんとしたことを伝えてないことの問題です。
山田「それって、ちゃんとした知識がないことが怖い原因なんですか?」
有美:それもあります。つきあうのは楽しいんだよという情報がなく、いきなり、ネットでAVとか激しいものを検索してしまって、怖い、こんなことやりたくないということになってしまう。
山田「それは男女ともにですか?」
有美:男女ともにです。だから、きっちり知っているのは大事です。
インタビューの様子を動画として配信します!!
深い話を聞きたい方はぜひご覧ください。
2倍速で見たりもできますので、お気軽に!!
【性と生のお話についてのお知らせ】
4月1日に始まった、性をテーマにしたインタビューブログ。
より詳しい内容を動画でも配信しています。インタビューの文章では伝えきれないことを動画では配信。倍速で見ていただけますので、時間のない方はそのようにしてみていただければと思います。
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をそれぞれ差し上げます。
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このブログシリーズは「さつきやま森のようちえん」の元保護者で、太郎旅の参加者でもあるライターの山田詩乃が、読者目線で、太郎さんに今、聞きたい事をインタビューし、まとめたものです。
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