前回に引き続き、旅のお話ですが、今回は日本に来るインバウンド向けのツアーについてのお話です。
「インバウンド向けのツアーガイド事業をはじめられるんですよね?」
「2020年のオリンピックや、大阪万博も決まり、年々、外国人観光客が増えているにもかかわらず、受け入れるシステムが整っていないというのが現状です。
旅行業界に携わるものとして、何かできないかと常々考えていました。
また、日本は、少子化で人が減っています。
人1人減れば、地域で落とすお金は年間120万減る計算なんです。そうすると、お金の流れが悪くなって、景気が悪くなるのは当然。
そこを助けてくれるのが海外からのお客様なんです。
データにも出ているのですが日本人が国内旅行で使うお金はしれています。
でも、インバウンドが日本で落とすお金の平均は1人25万。その地域に、外国人旅行客が5人くれば、日本人1人が1年間に消費するお金が入っている計算になります。
僕のミッションの中に、『自然を守る』というのがあるんですが、
観光したくなるぐらい美しい景色を守るにはお金がいるのです。
だから旅行を通じて地域にお金を落とす仕組みをつくることは、日本であれ、海外であれ、とても大事なことだと思っています。
また、『文化を守る』というミッションも持っていて、
2000年以上も他国に駆逐されず続いてきた日本の文化をちゃんと海外の人に紹介したいとおもっていたのです。
今回、中国の方を継続的に京都にお迎えするツアーのお話があり、
僕が旅をアレンジすることになったのですが、そのあたりをしっかり組み込んだ充実の内容にするつもりです。
ただ、僕がようちえんや学び舎の事業、海外ツアーガイドの仕事もあり、
全部、ガイドするわけにいかないので、僕がデザインした京都の旅のガイドをやってくれる人を募集することにしたんです。」
「外国人を案内するのに資格とかいらないんですか?」
「以前は、通訳案内士という資格をもっている人でないと、外国人向けのツアーガイドができなかったのですが、
2,3年前にその法のしばりはなくなって、ある意味、誰でもガイドができるようになっています。」
「といっても、その国の言葉が話せないとだめですよね。」
「通訳が同行するツアーを考えています。ガイドさんには、日本人ならではの習慣を教えてもらってほしいのです。
神社仏閣へのお参りの仕方、同じ、アジアでも全然違っていたりします。
また、なにげない街の人とのふれあいなんかも出来ればいいと思っています。
また、京都ツアーには、着物に触れていただくことも入れていくつもりです。
それもよくある、貸衣装レンタルではなく、
実際に、呉服屋にいって、『お仕立て』を経験してもらうのです。
今、インバウンドの方から、着物をお土産にするニーズがあるのですが、レンタルの使い古した化繊品をいくつも買ってかえるのだそうです。
それは、そんな着物にしか触れることができないから。
そうではなくて、ちゃんとした本物を持って帰ってもらいたい。
着物は日本の誇れる伝統文化であり、民族衣装です。
曲線を用いず、直線の布だけで作られ、着れば曲線が生まれるという不思議な衣装。
ですが、着る人、買う人がいなければ、つくる職人さんがいなくなって文化は消えてしまいます。
個人の呉服屋さんだとデパートに比べたらかなりお安いのお値段で購入することができるところがありますし、
きめ細やかな対応ができる。着なくても美術品として着物を海外に紹介できるとおもっています。
詳細はこれからですが、ガイドさんは登録制にして、日程の合う方にお願いしようと思っています。
条件としては、人と話すのが好きな人ですね。」
海外であれ、日本であれ、『旅』が媒介となって、感動が生まれ、お金を落とす。その結果、自然や文化が守られる。
素晴らしい循環ですね。
インバウンド向けのツアーガイド、興味ある人も多いのではないでしょうか?
是非、一度、問い合わせてみてくださいね。
※このブログシリーズは「さつきやま森のようちえん」の元保護者で、太郎旅の参加者でもあるライターの山田詩乃が、読者目線で、太郎さんに今、聞きたい事をインタビューし、まとめたものです。
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