とっくの昔に年は明けていて、今更クリスマスの話でもないのですが、
太郎さんや保護者にとってかけがえのない感慨深い出来事があったので、ご紹介します。
太郎:年末恒例のクリスマス会での出来事だったんですけどね。
ちょっと、感動だなってことがあったんです。
第一部はいつものようにお店屋さんごっこで、
第二部は発表会。
その発表会で事件は起こりました。
ある中学生の女の子がピアノ演奏していたのですが、
途中で暗譜忘れてしまい、再度最初から演奏して完了したものの、落ち込んで控え室に帰ってしまったんです。
その女の子はその次も出番があり、バイオリンの子と合奏する予定でした。
一連の様子をみていた、
森の学び舎、最年長の男の子は、
小学6年生の子に
「場をつないどいて」
と指示して控え室に向かいました。
急遽、指示を受けた男の子は2人の友達をつれて即興で漫才
を。
やがて、ピアノの女の子は気を取り直し、
漫才の後に、
バイオリンの子と見事に演奏をやりとげました。
今回の発表会は流れを子供たちだけが知っていて、
ほとんどの大人が一切からんでいないので、
最初、この漫才もぎこちないながらプログラムの中に
組み込まれているものとばかり思っていました。
でも、実際は即興で行われていたのです。
つまり、大人が気がつかないぐらい自然に、
仲間を自然とフォローしてやり遂げる姿をみせてくれたんです。
まさに、この一件で集大成を見せてくれた気がしました。
もともと、僕は、ここを幸せになる力をつける場にしたかった。
幸福学研究の第一人者で慶応大学大学院教授前野隆司さんによる
幸せの4つの因子は
「ありのまま」
「ありがとう」
「何とかなる」
「やってみよう」
この発表会に関わったみんなに、
これらの4因子すべてがありました。
失敗してくやしい出来事を
みんなが、自分事のように
ありのままに受け止め、
フォローし合い、感謝が生まれ
何とかなると思い、
やってみようとトライした。
子供には、この四原則の話は教えていないのに
幸せになる力を見せつけてくれたんです。
感動と同時に、
「この子達はもう大丈夫だ。」
と確信しました。
僕自身も森のようちえんを立ち上げた時から比べると
成長して力が抜け穏やかになってきています。
自然体でいられ、良い効果が見られます。
スタッフも日々成長しています。
一番大きいのは、
子供たちを対等の人間として見れるようになったことでしょう。
子供を教えてあげないといけない弱い存在とみると上手くいきません。
6歳の子でも自分のやりたいことは決められ、入学するかみんな自分で決めてきます。
普通は、学校の枠の中に押し込めてしまうでしょ。
大人が子供を信頼してない証拠だし、
そんな大人を子供は本気で信頼できないでしょうね。
一方、勉強をしない学び舎で、
大人の力を借りずに
幸せになる力がついていることを
保護者の前で体現してくれた。
その場にいた、大人みんなが
間違ってなかったと
感動したんですよ。
山田「理屈ではわかっていても、実際、このように
自然な形で成長をみせてくれると
やはり嬉しいですね。」
このブログシリーズは「さつきやま森のようちえん」の元保護者で、太郎旅の参加者でもあるライターの山田詩乃が、読者目線で太郎さんに今、聞きたい事をインタビューし、まとめたものです。
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