太郎さんと助産師の辻本有美さんによる「性と生のお話」、前回は「同意」についてでした。今回は
思春期の女子のからだと病気についてです。
有美:今回は、女の子の思春期、第二次成長の特徴やそれにまつわる気になること、病気についてお話したいと思います。
発達に関しては、とても親も子もとても気になるので、個人差があるということ繰り返し強調して話します。
基本は、
乳房発育の開始→脇毛→陰毛→成長スパートのピーク→初経→成人型乳房
という流れになります。
身長や体重がいくらになったら初経がくるとか言われていますが、それはあまり関係ないです。
ですが、以下の兆候があったときは小児科に行って欲しいです。
トピック1【早発思春期】
- 7歳未満の乳房の発達。
- 10歳未満の初経
【遅発思春期】
- 15歳で初経がない場合
どちらも小児科で大丈夫ですが、専門家の見解を聞いて欲しいです。
早発は、成長を止めてしまう可能性がありますし、遅発も深刻な病気が隠れている可能性があります。
トピック2【無月経】
もともと先天的なものとして、
「性分化疾患」
といって、半陰陽とか、体の構造やホルモンバランスや男性と女性が入り交じっている状態で来ないときもあります。
トピック3【月経モリミナ】
月経はあるのに、処女膜が完全に閉じているとか、膣に壁のようなものが出来て、出口がない。
膣がちゃんと形成されてなくて月経が出せないということもあって、これらは腹痛が起きます。
だから、子供がどこか痛いっていったら、異変が起きているときが多いので、思春期は安易に「大丈夫」と言わず、病院に行って相談して欲しいです。
あと、無理なダイエットなどで起きる「体重減少性」の無月経。
これは、基準は3ヶ月から6ヶ月の間に体重が15%~20%減った時になりやすいです。
生命維持の方が大事だから、エネルギーが足りないときは月経にいきません。
だから、マラソンなどの激しいスポーツや新体操、バレエなど、細さをキープすることが必要とされているときは気をつけておいた方がいいです。
そして、女の子に多いのですが、細くありたいとダイエットすることからつながってくる問題として
「摂食障害」があります。
トピック4【摂食障害】
体重が減ってくるとうれしいので、楽しくてどんどん減らしたくなるんです。
努力すると結果に表れるんで、真面目できっちりする子になりやすかったりします。
摂食障害には、食べない「拒食症」と、食べる「過食症」があって、
食べて吐くとか、食べて下剤を多用するとか・・・
「拒食」と「過食」を繰り返すこともあります。
心の不安定さも大きく関わっていますね。
目安は、BMI。標準体重で15%以下。
身長160センチで体重40キロを切ってくるぐらいになると気にしてあげないといけない。
これは、骨に影響をあたえて
「骨粗しょう症」に若いうちからなってしまいます。
無月経になると骨の生成にかかわるエストロゲンというホルモンが出にくくなるので。
でも、昔は、アスリートは、
「生理があるとアスリートとしてまだまだだ」
っていわれるぐらいしごかれていたときもありましたが、今は、このあたりのことがわかってきたので、そんな無理なトレーニングはされなくなりました。
でも、この「体重減少性」や「摂食障害」の問題を抱えている人は軽度のものを含めると若い人にかなり増えてきていて、無視できない問題です。
*このあと、動画ではBMI、標準体重について私たち3人が思うところ、ベストな体重を探っていくことの大切さや、体重が減って無月経になった体験について話しました。よかったら、動画をご覧ください。
今回は、症状に関する情報量が多かったので、わかりやすくするために、会話のやりとりをできるだけ省いてご紹介しました。
今回の動画なども下記のサイトからご覧いただけます。
性教育のインタビューブログ及び動画をまとめたサイト。
過去の分もページの一番下に一覧にしてあります。
このブログシリーズは「さつきやま森のようちえん」の元保護者で、太郎旅の参加者でもあるライターの山田詩乃が、読者目線で、太郎さんに今、聞きたい事をインタビューし、まとめたものです。
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