園長インタビュー

【太郎さんのここが聞きたい!】VOL.9 『経営者としての顔』

今回は、春のオーロラ旅から帰国したばかりの太郎さんにインタビューしました。

最初は太郎さんの旅の報告のブログの印象が変わったところから、いろいろ聴いているうちに、
だんだん経営の話になりました。

「お帰りなさい!いつもにも増して、楽しそうな旅の報告を読ませていただきました!
何か心境の変化でもあったのですか?」

「今回から、スタッフのエミーニョに同行してもらっているんですよ。
それが大正解で、
出発前から事務手続きや細かい打ち合わせまでやってもらえるので、本当に助かりました。

旅を純粋に楽しめるし、自然の中でのんびりできます。

そもそも、春のオーロラは5年ぶりで、スノーモービルに、犬ぞりといったイベントも、
現地スタッフとの交流も楽しみにしていましたし。

そして、実際、行ってみると一面氷の世界。

水平線ならぬ氷平線という普段見られない景色の
マイナス20度という厳しい自然の中で、五感がより冴えましたね!

僕のツアーのことを、すごくわかってくれているお客様のグループで、成田出発前からアットホームな雰囲気でして、僕はゆるみっぱなしでした。

それが、文字にでるんでしょうかね。今後の旅のお申込みやお問い合わせも増えています。」

「以前から旅にスタッフは同行していませんでしたか?」

「ツアーそのものを僕のかわりに任せたり、ようちえんスタッフが、自ら、お客様として参加することはありました。でも、今回は、交通費も日当もお支払いする仕事としてお願いしたのです。

それができるようになったのは、森のようちえんや学び舎事業が軌道にのってきたことが大きいです。」

「具体的には、どんなことをされて軌道にのせたのですか?」

「まず、照乃ゐゑのキャパから考えて子供の最大募集人員を絞りました。
そうすると自然と運営に関わる出ていくお金も圧縮することができます。

これは、とても大事なことで、ピーク時の設定を大きく見積もると、それにあわせて、
人、物、を最大に用意する必要があるのです。
満席御礼になるならいいのですが、そうでないと、赤字にすぐ転落します。

スタッフも、リストラしたわけではないのですが、それぞれの事情で入れ替わりがあり、
昨年最大12名だったのが7名に。

僕が深くかかわるようになり、なおかつ小さな組織になったことで、
スタッフ間の意志の疎通も取り易くなりました。

仕事の流れが整理され、人員が減ったのに、僕は事務仕事を手放していけるようになったのです。

今、僕は、照乃ゐゑで、焚火をし、子供たちの成長ぶりを感じながら、仲間と、
ただ、美味しいご飯を炊くのを楽しんでいるだけなんですが、

見学の問い合わせが増えているんです。

そして、見学に来たご父兄がみんな、お昼ご飯の美味しさに感動するんです。

子供の食が細くて困ってたお母さんにとって、子供がパクパクご飯を食べて、
おかわりする様子は嬉しいですよね。

そして、もう一つは、月2回の火曜の親子クラスの募集の間口を、逆に広げました。
今までは、ようちえんのプレとしてあったのですが、今は0歳から6歳まで入れます。

そうすることで、ハードルがさがり、より幅広く来てもらえることになりました。

森のようちえんの通常コースに入園するには三つの大きな壁をのりこえなければなりません。
一つ目は金銭問題、二つ目は子供本人の適応、三つ目は親類の理解です。

特に三つ目の親類の理解は一番ハードルが高いのです。
そんなようちえんで、小学校に行ってから困らないかとか、
座っていられるかとか、
ご両家のご両親はご心配されます。

でも、親子クラスだとそのハードルが全部さがるのです。

一か月2回、家族で5,400円ですし、子供は母親と一緒ですし、
『月2回、自然におもいっきり触れさせてやりたい。』
となれば、むしろ、
『それは、いいことだ』
と賛成されます。

兄弟も一緒にこられるので、他のようちえんに通園していても、
お稽古感覚で、月2回お休みをとって来られたりします。

そして、こちらは、スタッフの人員も増やしました。
そうすることで、僕の手があくので、新人スタッフの教育もできますし、
子育てに悩むお母さん達とたくさん話ができるのです。

いずれは、先生を目指す大学生のボランティアも受け入れたりしていこうとおもっているんです。
また、旅に同行するスタッフも、毎回、別の人に来てもらおうかと。」

「それは、魅力的なインセンティブですね?」

「働くモチベーションになると思うんです。それができるのも軌道にのったおかげです。
お金の心配が減ったのでスタッフにも、ご父兄にも余裕が出て、純粋に楽しめるようになり、
その雰囲気が、新たな人を呼び込む循環を生んでいると思います。」

「たった、半年で、これだけの改善をしたのですね?」

「独断にやったわけではありません。スタッフと一緒に、よりよくしていくにはどうしたらいいか考えて、
考えて、選択してきた結果こうなりましたね。」

経営といっても、太郎さんらしい、自分もみんなも自然体で楽しめることを追求したらお金が循環したという魅力的なビジネスモデルですね。
それにしても多様で面白い太郎さんの頭の中。子育て、教育、旅、経営、ネタがつきません。
さて、次回は鬼が出るか、蛇がでるか?
お楽しみに!!

※このブログシリーズは「さつきやま森のようちえん」の元保護者で、
太郎旅の参加者でもあるライターの山田詩乃が、読者目線で、太郎さんに今、聞きたい事をインタビューし、まとめたものです。

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