滋賀県東近江市の小椋正清 市長のフリースクールをめぐる発言について太郎さんが想うところを話してくれました。これは、2023年10月の不登校対策を話し合う会議で、「文部科学省がフリースクールの存在を認めたことにがく然としている」「フリースクールは国家の根幹を崩しかねない」「不登校の責任の大半は親にある」等、発言し、県内のフリースクールなどでつくる協議会は発言の撤回などを求めるなど約36000名の署名を集めています。
山田「今回の騒動について太郎さんはどのように思われているのですか?」
太郎:僕はこの件、大半の人が思うのとは違う見方をしているかもしれません。
「フリースクールの為に貢献してくれた。数年はフリースクールの発展をすすめた。まだまだ、何年もかかるとおもっていたのが1ヶ月で!」
と思っています。
山田「といいますと?」
太郎:まず、フリースクールの存在さえ知らなかった人が存在に気付けました。
更に、フリースクールが文科省に認められていることもしってもらいました。
あわせて、平成28年に定められた
「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」
に光があたり、不登校についての取り扱いが書かれていることが知られました。
彼の発現のおかげで日の目にみるにいたったんです。
しかも、彼が発言をすぐに撤回しなかったおかげでニュースやワイドショーでずっと扱われています。
地元のフリースクールも取材を受けています。
一般の人に知らしめるのに時間かかっていたのに、このおかげで、インターネットはもちろんのこと、全国ネットのテレビのニュースでとりあげられて、関心のなかった人が振り向きました。
おじいちゃん、おばあちゃん世代にまで大々的にフリースクールの宣伝になっているんです。
山田「ご本人は不本意かもしれませんがね。悪者扱いですし。」
太郎:そう、矢面に立っていただいたおかげで、フリースクールが、今の時代に大事なところだと彼が発言することでみんなが知ることになりました。
そもそも、法律って、知られていないところでできて、知られていないところで運営されている。
市役所でも知られていないことも多いと思います。
彼が、文科省がフリースクールを認めたことを愕然としたと言えば言うほど、叩かれて、結果周知され、
各市町村の議員にも意識が開かれて、
「我が町の不登校問題やフリースクールについてちゃんとしないと」
と、ほっとおけなくなってきています。
実際、僕の方にも池田市議会議員から
「12月の議会で教育の機会確保についての質問をしたいので
相談させてください」
と連絡がありました。
あと、もう一つ大きかったのが「不登校は親のせいだ」発言。
「そんなことはない」
と専門家やコメンテーターが言うことで、肯定的な見方が広がって、逆に不登校は親の責任でないと認知してもらえました。
傷ついた人もいるかもですが、この報道のおかげで救われた親も多いと思います。
これが10年前だったらどうだったか・・・。
フリースクールに追い風の時代だと実感しています。教育が選べる日が近づき、子供達の居場所づくりがしやすくなりました。
山田「公立か、私立かの2択から、フリースクールをキャスティングボードにのせてくれたのですね。」
太郎:この一件で、世の中は、もう、その方向に進んでいたのだとはっきりわかりましたね。
フリースクールの経営者としては、東近江市長のある意味、感謝です。
それに、僕も、この流れが国の根幹を揺るがすことになるというのは間違っていないと思います。
だって、今の日本の教育は日本人を育てるもので、日本の文化を継承していくもの。外国人でも日本の学校で教育をうけたら日本人のように育ちます。
忌憚なく言えば、税金をちゃんと納めてくれる優秀なサラリーマンや公務員が養成されるんです。
でも、フリースクールで自由に生きる人が増えると海外に出て行ったり、自分で商売始めたりする人が増えるかもしれません。
そうなるとサラリーマンが減って、今の国の状態は保てない。個人主義が進んで今と違う世界になるでしょう。そうなれば今の形の国の根幹はゆらぐ。
そういう意味で彼が言ったことは、間違ってないかもしれません。
人を傷つける言い方をしたのはまずいとおもいますが、ある意味、国の根幹が揺らぎ始めてることに気付けただけでも、すごい政治家だと思いますし、最近観ない気骨のある方かも。
だって、ちょっとでも叩かれたら、すぐに撤回する政治家があるなかで、自分の発現をつらぬいたのは。発言に責任をもっているとも言えますし。傷つけた事に関しては謝罪していますしね。
自分の言ったことなかったことにする人の方が多いし。本当に国を憂いたのだと思う。
私利私欲に走っって、何も考えていない政治家よりずっと良いと思います。
山田「話してみたら、意外と力を合わせられる世界があるかもしれませんね。」
このブログシリーズは「さつきやま森のようちえん」の元保護者で、太郎旅の参加者でもあるライターの山田詩乃が、読者目線で太郎さんに今、聞きたい事をインタビューし、まとめたものです。
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