2021年4月からずっと「性と生のおはなしシリーズ」をお届けしていますが
今回はちょっとお休みして、本来の「空飛ぶ園長インタビュー 太郎さんのここがききたい」
をお届けします。
しばらく太郎さんからお話を聴かないうちに凄い話が進んでいました!!
太郎:実は今年秋に中高部をプレオープンさせる予定なんですよ。
山田「あれ、まだ、一番上の生徒さんが中学生ですよね。それは、またどういったいきさつで?」
太郎:高校生に興味を持ったきっかけは、2月に世界平和女性連合のユース部で高校生が主催する「教育について語る会」でゲストに呼ばれていったときに、高校生20名と交流した時、やりたいことがはっきりしている子が多くて、こんな高校生達と関わりたいと思ったんです。
それと、森の学び舎の父兄から、
「高卒資格をもらうための試験を自分で受けるのは大変だし、高校は一般の高校に入るのが楽で良いのかと思うけど、フリースクールでずっとやってきて、普通の高校に行くのってどうなんだろう・・・」
的な。
と高校以降の進路進学の問題は以前から相談を受けていました。
僕は、この高卒に準じたを資格をもらうための試験、
2005年に大学入学資格検定試験の代わりにはじまった
「高等学校卒業程度認定試験」
について調べました。
すると、とても簡単なんです。
受験費用は8500円。
8教科から10教科をすべて40から45%以上とれたら合格。
一度に全教科受からなくてもいいんです。
大検の時は、一部の条件の人しか受けられなかったし、大学を受ける権利しかもらえなかったのですが、高卒認定検定は中卒以上なら誰でも受けられて、合格すれば高卒認定の資格がもらえるので、進路がいっぱい選べる。
大学はもちろん、専門学校、公務員、就職。
仮に普通の高校に行ってて、病気やなんらかの事情で休んでいても、これさえ通ったら、留年せずに
卒業出来るんです。
うちは高卒資格は与えられなくても、この高卒認定試験を受かるためのサポートはできるなと思って。
そうしたら、父兄の進路の不安も解消されるし、これは中高部作った方がいいなと思っていたら・・・。
多方面から協力やアプローチがあったんです。
まず、その、試験をうけるための勉強ですが、
学習塾が、サポートしてくれることになりました。
こういう自然系のフリースクールで育った子は自分で考える力が備わっているので、この試験にうかるのに必要なのは、1日2時間半年の勉強期間くらいでいいと分かったんです。
山田「小学校から数えて12年間でたった半年だけ勉強すれば高卒認定の資格がとれる。あとはずっと好きな事をしていてもいいなんて、最高ですね!」
太郎:そしたら、父兄の中から、過疎化で廃校になった校舎の再利用と地域おこしの相談があって、だったら、そこに自然好きの子が集まる中高部をつくればいいと!!一気に話が具体化したんです。
山田「町おこしのキーワードが中高校生だと!」
太郎:そうなんです。
過疎化するところって、中学校まではあるんですが、高校がないんです。
だから、遠方に通うことになるので、親がそれをきっかけに引っ越したりするんです。
そうすると、一番元気で働ける世代がごっそりいなくなる。
これが問題でした。
そこに、観光客でもない、孫でもない、我らが中高部を投入すると、
その父兄も、今はリモートワークが進んだので、子供にあわせて都会から移り住むかもしれないし、
そうでなくても、なんやかんやでスタッフも親も来ますよね。
人が来ると、地域にお金が回り始めます。
さらに、元気な中高校生が、地域のおじいちゃんおばあちゃんが手がまわらない、草刈りや、薪割り、収穫や雪下ろしを手伝う。
逆に彼らは、農業、林業、漁業のことをまなんだり、お礼にトマトもらったりしてね。そこに通貨が介在しない。
山田「物々交換?」
太郎:いや、「ありがとう」という「気持ちの交換」かな。
そうすると、働くことが純粋に喜べるんです。
自分のやったことが人の喜びという学びが出来る唯一無二の時になる。
山田「素敵です!」
太郎:校舎には、カフェ(教室)とお風呂と寮を自分たちでつくろうと思うんです。
最初は寝袋からはじめてね。かかる費用はクラウドファンディングで調達して・・・。
山田「今までになかった町おこしの形としてメディアも注目しそうですしね」
太郎:そこが出来たら、ランチに一人暮らしのおじいちゃん、おばあちゃんが食べにきてもらったりお風呂はいってもらったり、携帯の使い方とか教えてあげてね。来ない日があると、みんなで心配したりとか。
山田「高齢者の見守りにもなるんですね。」
太郎:地域の森のようちえんも、たまに、遊びにきてもらったり、夏は高校生をバイトにやとって
サマーキャンプ開催したりしてね。
山田「高校生はここにずっといるんですか?太郎さん移住するんですか?」
太郎:いや、2クラスつくって、月の半分を大阪、半分を田舎の校舎の方に交互に通えるようにって思っているんです。
車も買って、スタッフも増員して対応する予定です。
名前はね、森のようちえん附属中高部にしようかって冗談で言ってます(笑)
山田「大学の附属はあるけど、ようちえんの附属なんですね?確かに!勉強は類塾、校舎では自然の仕事、それ以外にプログラムがあるんですか?」
太郎:ありますよ。それは次回、お話しますね。
ついに中高部まで!びっくりですよね。プログラムの詳細、そして、自然系ビジネスは成功が難しいと言われるなかで、太郎さんがどうしてうまくいっているのかを次回おつたえしますね。
このブログシリーズは「さつきやま森のようちえん」の元保護者で、太郎旅の参加者でもあるライターの山田詩乃が、読者目線で、太郎さんに今、聞きたい事をインタビューし、まとめたものです。
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