このインタビューは3月7日時点のものです。現在、世界レベルで新型コロナウィルスが猛威を振るいはじめています。店頭から、マスクやトイレットペーパーが消え、安倍内閣総理大臣が3月2日からすべての小中高校に休校にするよう要請しました。さて、森の学び舎はどうしたのでしょうか?太郎旅はどうなるのでしょうか?
「今、どこにいるのですか?」
太郎:ペルーです。ホームステイしていた森の学び舎の小学生を迎えに来ました。3月9日に日本を出発予定だったのですが、出国制限がかかったらいけないと思って、3月3日に日本を出発しました。
一つ目の心配はアメリカで入国拒否されないか?一週間前からの検温表をもって飛行場にいきました。
でも、普通でしたね。あのときは、マスクを着けている人はだれもいない。ペルー入国もなんにもなかった。アメリカは日本よりも脇が甘かったですね。そのせいか、アメリカの感染拡大が問題になっている。
もし、日本との飛行機が飛ばなくなったら、アメリカ経由では帰れなくなるので、保護者にカナダ、イギリス、フランス、ドイツを僕が彼をつれて旅をしてもいい同意書を作成しました。それを持っていないと、誘拐って思われるから。
でも、実はヨーロッパも蔓延していますから、どうなるか。南米地域はイタリアでかかって持ち込まれています。
正直、もう世界中に広がっているんで、どこで、受け入れるかですよね。コロナの危険性を経済活動とくらべて受け入れるタイミング。
すでに蔓延しているんです。8割はわからない。見えない人がかかっている。もうとめられないですよ。
だから、大事なのは、バランスです。ウイルスから国民を守ることと、国民の経済活動、生活を守るバランス。
事実ベースで考えれば、致死率はインフルより高いけど、SARSより低い。コロナで死ぬ可能性、最大日本57万人というデータもあるんですが、それって日本人口の0.45%、1000人4,5人。では、すべてを止めて起きる貧困、自殺、食糧不足とどっちが影響大きいか。
クマの被害で年間1人やスズメバチで10人亡くなったら、報道はおおさわぎしますが、実は自動車事故で3500人が亡くなっていたりする。でも、それは、よっぽどでないと大騒ぎされない、「車をつかうな」とはならない、それは経済的価値があるから。なくてはならないから。
どこで、シフトがきられるかを見ています。僕は、旅はいいものだし、観光業という世界で一番の産業だと思っていて経済的価値は絶大だと思っています。みんなが旅をやめたことで困る人がいっぱい出てきています。もうすでに、北海道でバス会社がつぶれたり、世界で経済活動が弱くなっている。再就職だってできない。限界が近づいている。
僕は世界の状況が落ち着き次第、ツアーを開催します。地域にお金をまわしていかないと。
コロナでなくても何で亡くなるか分からない世の中。世界はもともと未知の細菌だらけです。
だから、普通でいいんです。普段から、無理しないで、体調悪かったら仕事も学校も休む。旅も遊びにも、体調が悪い時にはいかない。
「どこが、シフトのタイミングだと思いますか?」
太郎:医療機関がパンクしないようにやっているのはいいんですけど、経済損失の大きさ、食べ物が亡くなって抵抗力を亡くす方が怖いとなればでしょうね。
僕は、自然の世界を知っているから、わかるんですが、絶対おさまると思っています。
だって、外来種ってどうなっていくかしっていますか?
一時話題の松枯れ病、一本5千円の薬打ったり、必死に食い止めようとしたけど、最近きかないでしょ?あれは、本当に全部の松が枯れたら、それはそれで、それに寄生した虫はいきていけないので、ある日突然、姿をふっと消して、森の中に混ざるんです。
セイタカアワダチソウのせいでススキがなくなってしまうと大騒ぎしたこともありましたが、これも落ち着いて、ススキの方が今は勢力を盛り返しています。
よもぎだって、元は中国から来た外来種だった。
今の言葉でいうと、一時、バズって、落ち着くところに落ち着くんです。自然ってそういうものなんです。
「スペイン風邪もそうだったみたいですね。ウイルスの特性を学ぶ必要がありますね。園長としては?」
太郎:学び舎の子供は大丈夫、インフルエンザも誰もかからない。ふだんから雑菌まみれですから。子供の感染率や重症化も少ないので低いので心配はしていないです。でも、国からの要請にあわせて、3月2日から15日までは閉園しました。(最終的にはそのまま春休みになりました。)
遠距離から電車通学なので、子供をみる大人の目が厳しい。普段でも言われるんで。制服や、ランドセルじゃない、リュック背負った子が一人で電車のっていたら、まわりの大人が、心配という名のおせっかいで、子供の心を傷つけてきます。
こんなときは、なおさらです・・・だから、いろんな意味で子供の安全第一に考えました。
でも、あんまり家にいると、子供達の心身の健康が心配だから、通常のプログラムではないけれど、来れるスタッフをつのって、週3回、公園で遊んだりします。密室になる園バスで能勢までいくのもしません。公共機関は親が一緒で、体温チェックはかかさず、親の同意の上で。
他の森のようちえんは、自然の中ということで、やっているのも多いので。逆に保護者からなんで太郎さんところはやらないのって言う声もでてくるでしょうし、初期の森のようちえんの状態で、しばらく運営ですね。
追伸:太郎さんと生徒さんはロックダウンが始まる前に無事帰国しました。
このブログシリーズは「さつきやま森のようちえん」の元保護者で、太郎旅の参加者でもあるライターの山田詩乃が、読者目線で、太郎さんに今、聞きたい事をインタビューし、まとめたものです。
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