園長インタビュー

【太郎さんのここが聞きたい!】 VOL.53 「太郎の語学習得術」

森の学び舎4年生の笙吾君が、スペインに2か月ホームステイするにあたって、ペルーまで同行した太郎さん。ホームステイ先に送り届けたあと、太郎さんはスペイン語の家庭教師をつけて20時間のマンツーマンレッスンをしてきました。

「スペイン語、だいぶ話せるようになりましたか?」

太郎:まだ、幼稚園レベルにも達していないです。文法の体系と動詞をつかって文をつくることができるようになりました。

 スペイン語を勉強して日本語をあたり前に話すことの凄さ、大変さを思い知りました。

 外国人がよく言うでしょ、日本語はどうして、物の数え方の単位(助数詞)がいっぱいあるんだって。日本人だったら意識しないで使いこなすことができますが、牛一頭、ねずみ一匹、木一本、豆腐一丁、ごはん一合、一膳、一升・・・・英語圏の人にしたら、数だけでいいじゃないかっておもうんですよ。

 同じように、僕はスペイン語の動詞にそれを感じました。主語を言わなくていいんです。動詞の変化で主語が分かるようになっているので。

 後ろのつくものによって、変化する場合もあります。たとえば、「彼」という主語にたいしてbe動詞が2つあり、出生とかかわらないものが後につくときは「es」,気分などかわるもののときは「esta」になるとか・・・。

 でも、それが面白い。言語学の根本に触れた感じです。

 1日4時間授業、休憩10分、2時間復習、2時間宿題 計8時間こもって勉強しました。

 

「太郎さんの学び舎では、宿題も、そもそも授業もありませんが、宿題どうでしたか?」

太郎:やりたいことに対しての宿題は最高に楽しいです。先生は僕に適した課題を与えてくれているわけですし。勉強すればレベルアップする感覚があって、それも嬉しい。仮に宿題が出てなくても、自分から勉強していたでしょうね。すごく楽しいんですよ。

 飾りにしかみえなかった看板が読めたとき、すごく嬉しかったんです。看板がデザインではなくちゃんと意味を持ち始める。学ぶ喜びも、苦しみもひっくるめて楽しい。

 学び舎では、勉強は教えませんが、学ぶことが楽しいという大人の姿を見せることをしています。

 

「そうすると、興味のあることがでてきたときに、子供は自然と学び始めますものね。」

太郎:今回、地元の人に、英語とスペイン語で教えてもらったのですが、ネイティブならではの、ジョークとか使える言葉を学べるんです。それもよかったですね・

 

「英語とスペイン語で!英語はどうやって習得したのですか?」

太郎:仕事で海外に行くうちに自然と必要に迫られてです。高校時代の友人は僕が英語を話すってきいて驚いていますよ。ずっと赤点でしたから。(笑)

 日本の英語教育は話すことが最終目的ではないですからね。テストで点を取るのが目的だから、「まちがえちゃいけない。」って思ってしまう。それが、壁となって話せないんです。海外の人からみたら、日本人が10年以上英語学んでいて話せないことにびっくりしますよね。

 

「本当にそうですよね。植民地化されたところは英語をみんな話しますよね。日本も戦争にまけて、食や文化が欧米化していったのにどうしてなんだろう?

日本人がアイデンティティを守っているのかな?それとも、アメリカが管理しやすいように日本人にあえて英語が話せないような英語教育をOKしたのかな?」

 どうしてなのでしょうね?意外とあこがれのままでおいておきたいとかかもしれない?(笑)

 言語はコミュニケーションをとる道具なんです。

 僕が英語を話せるようになったのも本当に必要だったから。

 オーストラリアに行ったとき、ケイスケが仕事で4日いないから、シドニーに4日間一人で適当にしていなくちゃならなくて、今ほど、スマホが発達してなかったから、電車に乗るにも、ホテルにチェックインするにも言葉が絶対必要でした。

 アマゾンの下見で現地ガイドと二人っきりで三食一緒の時も英語話さないわけにいかない。この時は、ネイチャー系という共通があるから専門用語のおかげで結構、わかりました。

 ニューヨークに行ったときも、空港まで地下鉄を利用したのですがなぜだか到着せず。途中下車してバスにのりかえて、またトラムに乗っていかなくてはならなくなったのですが、携帯をもっていなかったので、自分が今、どこにいるかもわからず、親切そうなおじさんを捕まえて、どこへむかったらいいのか聞くしかなかった。どの出口をめざし、どのバスにのったらいいのか?アナウンスをひとつでも、聞き漏らしたら、たどり着けない。

 そうやって、培っていったんです。遠回りだったかもしれないけど。今回、ちゃんと先生について文法から習って、こっちの方が早いって思いました。

 ガイドをしているというのも役に立ちます。日本のいろんなことを知っているから会話が続くので。飛行機で隣になった人と話して仲良くなったりすると本当に楽しい。

 そう、話すと楽しい。だから、やる気が湧いてくるんです。

 

これが、語学習得のポイントですね。会話ですものね。相手に伝えたいこと、聞きたいことがあって初めて、学ぶモチベーションが生まれてくる。太郎さんは、学ぶとき、なぜ学ぶのかの本質をとらえ、ワクワクしながら学んでいる。これって、一番記憶に定着するんですよね。是非、子供に、自分の学びにもモデリングしたいポイントです。

 このブログシリーズは「さつきやま森のようちえん」の元保護者で、太郎旅の参加者でもあるライターの山田詩乃が、読者目線で、太郎さんに今、聞きたい事をインタビューし、まとめたものです。

 

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