今年の9月末で4期目の決算を迎える学び舎。
こちらのブログでもお知らせしているように、オルタナティヴスクールへの需要が高まって、運営は安定し、あと20年は見通しも明るいなか、「学び舎」事業の継承について、考え始めたようです。
太郎: 僕は、今、どんな山に出逢ってきたのか、ブログで連載しているんですが、それは以前、お話ししたように山のガイドを引退するからなんです。
個人でやっている以上、年齢や体力も衰えるし、終わりを考えて動かなくてはいけません。
学び舎もしかりです。
でも、学び舎の事業は、教育関係で子供への責任がありますので、僕個人の問題で簡単にやめることはできません。
山田「どういうことですか?」
太郎:具体的に言えば、小学1年生で入った子が6年生になるまでは、存続する責任があると思うんです。だから、学び舎を終わるときは最低でも7年前に次年度からは募集しないことを告知して動かないとだめということになります。
山田「なるほど、でも太郎さんはお若いですし、まだまだ、先のことですよね?」
太郎:いえ、実は先日2030年には僕はこの事業から引退する方向で考えていることをスタッフには話したんです。
山田「ええ?そうなんですね!?・・」
太郎:そうなんです。税理士さんにも驚かれました。形も整って、お客様もまだまだいて後20年は安泰なのに、もう学び舎も中小企業の抱える事業継承問題を考える時がきたかって。もちろん、決定ではありません。
僕としては、お金を稼ぎ続けることより、「人」を残していきたいんです。ただ、子供、親、スタッフが育つために持続性が必要だと思っているんです。
でも、個人でやっている以上終わりを意識して経営しなければなりません。学び舎には持続出来るシステムがないのが大きな問題なんです。
このまま後継者がいなければ、2024年の小学1年生で募集を終わるということを、スタッフにも意識してもらいました。
山田「みなさん、驚かれたのではないですか。」
太郎:「まあ、そうやろうね。もともと自由な人だし。いずれ太郎さんがぬけることはあると思っていた。」という反応でした。
山田「卒業生やスタッフのどなたか候補はいますか?」
太郎:2030年にむけてだと、卒業生は若すぎます。スタッフはこの話を受けて本人達が
どう考え、何を選択していくかだと思うのです。
そして、このことを自分事として考えてもらうことが、ここからのスタッフの成長にもなると思っています。
日本人は雇用されていることになれているので、
社会保障のついたというイメージの正社員になりたい希望されることがあるんですが、
結局、その社会保障分を会社の利益から引くので、それをもとに人件費を決めていくという経営の話をしたりしました。
まず、うちのスタッフには社会の仕組みについて学んでもらうのです。
正規雇用と非正規雇用の違いって何か?
健康保険、年金、税金はどうしたらいいのか?どうしたいのか?
学び舎はどうやって利益がでているのか?
それをどう分配していくのか?
自分はどんな働き方をしたいのか?
会社に任せっきりでもらったお給料の使い方だけ考えるのではなく、
ちゃんと現実を知って、自分ですべて選択してもらいます。
そうすると、
稼いだら、稼いだ分だけ自分に入るお金があがることも実感できるし、
後継者がいて、学び舎が継続すれば、どんな経営になるかもイメージしてもらいました。
でも、このまま、後継者がいなければ、2024年から新規をとらないので人数は減るし
利益は当然さがるイメージも出来たと思います。
ただ、僕と一緒でスタッフもやりたいことが多い自由人が多いんです。
うちの働き方は2つであるなと話していて、月15日出勤して子供達のレポートやイベント準備などやってもらうか、現場中心で週2日程度自由に働く日を決めたいか。
お金の問題ではなく、現場中心週2日程度来たいときに来る働き方を選んでいる人が
圧倒的に多くて・・・。
山田「だからこそ、大好きなこの場を維持するために、スタッフ一人一人が、
自分に何ができるか考えてもらうきっかけのために、期限を切って、スタッフに事業継承問題をなげかけたのですね?」
太郎:そうですね。思っていることを投げかけることは大事だと思っています。
もちろん、僕としても残していきたいので、教育大の教授などに相談して、若くてやる気のある後継者を探しています。この場で話すことで、やる気のある、誰かに届いたら良いですね。
このブログシリーズは「さつきやま森のようちえん」の元保護者で、太郎旅の参加者でもあるライターの山田詩乃が、読者目線で太郎さんに今、聞きたい事をインタビューし、まとめたものです。
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