太郎さんと助産師の辻本有美さんによる「性と生のお話」、前回は「第二次成長とそれにまるわる気になること」についてでした。今回は特に月経困難症についてのお話です。
有美:月経困難症は人によって重さは様々なんですが、気を失うぐらいきつい方もいらっしゃいます。
でも、月経は病気じゃないから、「薬は絶対飲まない」「学校は休まない」「耐えて頑張る」という人が結構いらっしゃいます。
山田さんはどうですか?
山田:私は、薬に抵抗がるので薬があまり飲みたくなかったんで、耐えていた方ですね。
太郎:でも、花粉症の人は飲みますよね。
有美:それとどうちがうんでしょうね。
山田:薬には抵抗があるので、花粉症も生理痛も、できれば、自然療法で、服用するなら漢方薬って私は思っています。
有美:じゃあ、その話をする前に月経困難症について知っておきましょう。
- 月経前不快気分障害(PMDD)
- 月経前症候群(PMS)
これがある人は、月経前から、気分が不安定になったり、イライラしたり、興味があったことが興味がもてなくなったりとか、引きこもりになったり、眠たい、眠れない、頭痛、関節の痛み、お腹が痛い、胸が痛いとか本当にいろいろ症状があります。
これある人って、排卵終わってから生理までじゃないですか。ということは2週間これがあるんです。
更に月経で5日あったら、
元気なのって、1週間あるかないかです。
山田:そうか、その人の本来のものではないのに、イライラしたりが続くってことですね。そのうち、この症状が自分の性格だとおもったりしてしまいますよね。
有美:本当に!もし、なかったらどうでしょう?コントロールできたら。
山田:楽でしょうね。
有美:今は、女性も社会で活躍していますし、男の子も女の子も同じように頑張るじゃないですか。
でも、月経前症候群の子は、この症状が1ヶ月のうち3週間続くなかで、
何の症状もない女の子や男の子と同じように勉強やスポーツをやれって言われるので、凄くつらい。
パフォーマンスだって落ちてくる。
だから、親がその症状がなかったり、我慢できると
「病気じゃないから、薬とか大丈夫。」
とか子供にも言いがちですが、そこはよく考えた方が良いんです。
山田:これは薬で治るんですか?
有美:最近はとても良い効く薬も出ていますよ。
では、ピルはどうですか?
山田:いやもう、薬への不信感が高すぎてどう受け入れて良いのか・・・。
太郎:僕はピルはツアーをやる上では欠かせないです。
特に高所登山に行くツアーだと途中で生理が始まってしまうと高山病のリスクが一気に高まるので、
命にも関わるので、ピルを飲んで快適に行っていただいた方が・・・。
オーロラツアーだって、カナダへ行く飛行機の中で生理が始まってしまったら大変ですからね。
期間中、ずっとボーッとしておくしかないのなんて、どうなの?ってなりますから、
うちの場合は月経コントロールするのも一つの方法ですよって参加者には資料を送っています。
有美:詩乃さんの言う、薬への不信感というのも私は分かるんですよ。助産師って医療職なんですが、私もどちらかというと病院嫌いです。
自然出産を望んで助産院で生んだし、助産院で働いていたけど、太郎さんの話でもそうですが、全体を大きく質を見たときに、どっちを選択したらいいのか親が決めつけずに、子供の前に出した方が良いと思うんです。枠を勝手に作らない方がいいんです。
薬は怖い、得体がしれないから使わずに、毎回3週間苦しむのがいいのか。
薬と上手につきあって、快適に自分のやりたいことを楽しくみんなと一緒に思いっきり豊かに過ごすのがいいのか
親が決めない方が良い。どうしたいか、思春期の子に分かるように話をすると良いと思います。
山田:薬の相談とかはやはりお医者様に?
有美:そうですね。小児科とか、ピルとかは産婦人科とか。年齢にもよりますが。
もちろん、薬に頼らなくても、鍼灸とか整体とかなどつかって体を温めるだけでも大分ちがってきますから医療でない自然療法もいっぱい試してみて、いいものがみつかればそれはそれでOKだし。
でも、本当に痛くて、気が失うぐらいだったら、鎮痛剤をあげた方がいいし、薬を選択肢として持っておいた方が良いかなと思います。
山田:確かに、そうですね。絶対、薬は駄目ってしない方がいいってことですね。
有美:どう過ごしたいかは、生理の始まったお子さんとことあるごとに相談した方がいいですね。
太郎:そうですね。たとえ話が極端かもしれませんが、僕がよく言うのは、車の話です。
車ってみんな乗りますよね。でも、それによって事故がおきたり、排気ガスが出て健康を害する人もいます。でも、便利さが健康を害することを超えるからみんな使うんですよね。
車が必要な田舎に住もうとする子供に、車は交通事故を起こすから危ないと反対はしません。状況次第なんです。
でも息子が18歳で運転し始めると親は最初、怖い。同じ車を運転するのに自分で運転する方が安心です。それは、息子が運転を知らないから怖いし、親も自分の子供がどのくらい運転できるのか知らないから怖い。だからどちらにも正しい情報が必要です。
それと同じように、生理で不快な気持ちが続いてコントロール出来ない子に、薬は危ないからやめた方がいいよというのはきびしいと思うんですね。ためしてみないとわからないし、知らないから怖いというのもあると思うんです。
有美:車の例、わかりやすいですよね。
山田:あらゆる意味で情報を増やしていくのが大事なんですね。
有美:そう、それが大事です。
まあ、妊娠も含めて、月経の不調もだいたい冷えが原因です。
逆子も全部、冷えから来ています。
そういう意味では、あっためることの大事さは小さい頃から何回も言った方がいいです。
山田:そういえば、おばあちゃんから、昔から何回も「冷やしたらあかん」って言われました。
有美:うるさいぐらい言われましたよね。でも、本当に大事で。もっとおしゃれな温め方があればいいんですがね。
山田:私は、妊娠出産で苦労して、温めることがどれくらい大事か身をもって知りました。着るもの、食べるものを変えて、流行の薄着ではない、身ごもるために必要な準備がどれくらい、体を楽にするか実感しました。
有美:冷やさないためのアレコレを言い出したら、私、2時間ぐらい話してしまうので別の機会にしますが・・・。(笑)一つだけおすすめの方法をお伝えします。
痛みをとるのに「こんにゃくシップ」って有るんですが、生のものを使うし、袋にいれずに布につつんで使うと、水もでるし、くさいしで、使いにくいんです。
でも、板こんにゃくって、ビニール袋に入って売っていますよね。それを電子レンジで袋のまま、1分半ぐらい、爆発しない程度にあたためてカイロ代わりにつかうんです。
山田:それは、初めて聴きました!そのやり方は!
有美:とてもおすすめです。カイロより、ほんわりとしたあたたかさで気持ちいいんです。繰り返し20回ぐらい使えるし。腎臓をあたためると、おしっこの色とか変わってきます。
山田:ちなみにそれは、体重でぷしゅってならないですか?
有美:ならないです。寝ている間にどっかにいったりしますが・・・。妊娠中は毎日していました。
本来の食養の使い方ではありませんが。
あと、漢方なら使いやすいって話がでてましたが、婦人科で使う三大漢方薬だけお伝えします。
- 当帰芍薬散
- 加味逍遙散
- 桂枝茯苓丸
山田:顆粒のと、漢方薬局の本気のとどちらが良いでしょうか?
本気の方がいいんでしょうが、お値段もしますし、顆粒のを試してみて合うならそれでいいと思います。お守り代わりでもいいですし。この3つは常備してもいいかもしれません。
ただ、漢方もお薬です。副作用もあるし、使い続けてもいけないものもあります。
山田:こちらも、お医者様に相談して使うと言うことですね。
有美:はい、そして、「性感染症」のこともふれておきます。
「カレシの元カノの元カレ知っていますか」
これなんだか知ってますか?
山田・太郎:初めてききました。
有美:これ、少し前のエイズのポスターに書かれていた言葉なんです。性感染症の怖さを伝えているものですが、彼氏の元の彼女の元の彼なんて知ってるわけない、でも、性病はここまで遡って、うつってくるんです。
なので、相手が絶対大丈夫っていえないのが、性感染症の怖いところです。
とはいえ、エイズは大丈夫って思っていませんか?
山田:それこそ、良い薬が出来ているんで、以前のように命に関わるとは思わなくなりましたが、すべての性感染症についてどうしていったらいいのかと思います。避妊具しかないのかな?とか。
有美:道具としてはコンドームしかないですよね。そして、おつきあいしてそういう関係になる人には一緒に病院に行って検査して、大丈夫である確認をするしかない。
性感染症の種類としては
- エイズ、クラジミア、梅毒、子宮頸がん
このなかで、梅毒が近年、特に10代20代で以前の10倍くらい増えています。
山田:なぜでしょうか?
有美:SNSが発達して、マッチングアプリでいろんな人と出会いが広がって、不特定多数の人とカジュアルに関係を持つ人が増えてきたのが理由です。(梅毒の情報を聞いて検査する人が増えているのも一因ではあります。)
オーラルセックスによる口の中の梅毒も増えています。オーラルセックスでもコンドームは使った方が良いんですが、通常のセックス以上に使わない人が多いからです。
だから、若いうちから性感染症の正しい情報や危険性を知っておくことが大事です。子供だから、まだ、この情報は早いってことはありません。
山田:病院は女性は婦人科、男性はどこでチェックするのですか?
有美:泌尿器科や自治体でも検査してくれます。自治体なら匿名でやってくれます。
山田:怖さをしらなければ、セックスする前に検査という発想にはならないかもしれませんね。エチケットとして検査が広まればいいですね。
有美:本当に怖いことなので、身を守るためにちゃんと情報をみんな知って欲しいです。
この後、まとめの感想をみんなで話しています。とても大事なことを話していますのでよかったら動画をご覧ください。
今回の動画なども下記のサイトからご覧いただけます。
性教育のインタビューブログ及び動画をまとめたサイト。
過去の分もページの一番下に一覧にしてあります。
このブログシリーズは「さつきやま森のようちえん」の元保護者で、太郎旅の参加者でもあるライターの山田詩乃が、読者目線で、太郎さんに今、聞きたい事をインタビューし、まとめたものです。
この記事へのコメントはありません。