VOL.29・30は、同じ内容を前編、後編シリーズでお伝えします。前回は、太郎さんがデモクラティックスクール育ちの凄い若者に出会った話から、現在の若者が抱える厳しい現状についてお伝えしました。自由な教育へのシフトの必要性を多くの人が感じる一方、「勉強は出来るほうが選択肢が増えると思うんですが?」という最強の固定概念の質問が立ちはだかります。
太郎:先日、子育てについて、塾の先生やいろんな立場の人が意見を交わす会で、保護者の方からこんな質問がありました。
「どうして子供に勉強を教えないのですか?勉強が出来たほうが選択肢が増えると思うんですが?」
本当に、よく聞かれる質問なんです。僕は逆にこう聞き返しました。
「勉強が出来ることで選択肢が狭まる事はないのですか?」
と。すると、ある塾の先生が言ったんです。
「京大に入った子が芸人になりたいと思ったとき、親たちは必死でとめるでしょうし、自分でも迷うでしょうね。」
って。その先生は、京大出身なんですがね。(笑)
実際、ビジネスの場において、京大出身なんて、京都府出身というのと大差ないそうなんです。それよりも、いったい、何ができるのかの方がよっぽど大事なんですよって話をしてくれた先生で。
「勉強が出来ることで選択肢が広がる。」なら、偏差値の高い京大に入ったら、自由になんでも選択できるはずでしょ。でも京大に入ったら入ったで期待やプレッシャーが選択を邪魔したりすることもあるんです。
山田:まあ、最近は高学歴の芸人さんも増えてきましたが・・。苦労して育ててきた親にしてみれば、反対するでしょうね。
木村:その苦労が、将来のために、塾にいれたり、お稽古ごとをさせたり、その送り迎えや、授業料の苦労だったとしたら、しないほうがいいんです。
よかれと思ってつけさせた学力や体力は邪魔になるかもしれないんです。
僕は、勉強やお稽古ごとを否定しているわけではありません。子供がしたくもないのに、親の不安やエゴからさせるのはどうかという話をしています。
前回も話しましたが、子供は小さなころから、頭と心はつながっていて、やりたいことがわかっているんです。だから、その子がやりたいとなれば、高校生になってからだって、あっという間に、遊びにみせた集中力で学んでしまうのです。
山田:では、親が子供にできることはなんでしょうか?
太郎:これも、よく聞かれる質問ですが、とてもシンプルです。
愛と信頼。
何があっても愛を贈り続け、信頼していることを伝えることです。
前回でお話しした若者たちは、学び舎の子供達の未来の姿をみせてもらった気がしました。
こうなるのかと。心配することは何もない。子供たちは、すでに、その世界に生きているので、この方向であってるって太鼓判押されたような。
ただ、僕たち大人が余計な固定概念を植え付けなければですが。もっと、手放して、もっと子供たちに任してもいいのかもしれません。
山田:太郎さんは、そういう環境をつくられているのではないのですか?
木村:まだまだ、周りの人を巻き込んで進んでいく必要があると思います。具体的にはこれからですが。僕個人にだって、伸びしろがあります。というか、元にもどるといったほうが正確かな。赤ちゃんの時のような感性にもどっていけるって思うとわくわくしますが、同時に怖いです。
僕は経営者なので、会社の将来を心配するし、考えてみれば、世の中はテレビも、ネットも、新聞も、情報すべてが「将来を心配しましょう。」の大宣伝が行われています。保険だ、年金だ、景気だ、少子化だと不安をあおる話ばかり。
この中で、今までの日本の教育でそだってきた大人が100%固定概念を外すって難しいんです。谷底にエイって飛び込むような勇気がいります。
でもね、常にハッピーなのと、常に不安。この差は大きいです。
本当は、明らかに、傷ついているのは僕たち大人なんです。
僕が出来るのは、こうやって、僕が学んで、受け取っていく姿を、皆さんに見せてお伝えするということかな。
山田:そして、太郎さんが、大人を癒せるといえば、やっぱり、旅ですよね!!私がそうだったように。
木村:そうですね。例えば、オーロラを見たい、世界一の花園がみたいという夢をかなえにくることで、何かが大きく変わっていきますからね。
あらためて、おもいますね。僕にとって、森のようちえんや学び舎は右足、ツアーガイドは左足。どちらも必要なんですよ。
傷ついた大人に、夢を思い出してもらって、夢をかなえに旅にきてもらう。
楽しむことで自分を癒して、子供の頃の自分を取り戻してもらう。
そうすると、子供たちがやりたいことができる環境を自然とつくれる社会になる。
すごい素敵な循環じゃないですか!!!
頑張っている大人の皆さん!!
まずは、すぐに旅にでましょうか!!!
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このブログシリーズは「さつきやま森のようちえん」の元保護者で、太郎旅の参加者でもあるライターの山田詩乃が、読者目線で、太郎さんに今、聞きたい事をインタビューし、まとめたものです。
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