園長インタビュー

【太郎さんのここが聞きたい!】VOL.21『自己肯定感が高い子ども達』

前回まで三回にわたって一般社団法人化による『人間性(*)のある人材を社会に贈るプロジェクト(方針)』の話をしてきました。
*)人間性とは、ここでは創造力、コミュニケーション力、体力、体幹、五感など、人間が持っている「力」を身に付けている人のことと考えています。

今回は、寄付を集める上で、よりわかりやすく、このプロジェクトの言語化をすすめる太郎さんから「わかった事がある」と連絡をいただき、詳細をお伺いしました。

「僕達が大事にしていることで『今やりたいことが、一番目』というのがありますが、
それは、次の2つの要素があるからできるんだってことが分かりました。

① ゴールがない教育だから。
② 大人が『評価』や『褒める』ことをしないから。

なんです。その結果、『自己肯定感』が高い子が育ちます。

『ゴールがない教育』というのは子ども達にこちらが強制的に共通のゴールを設定しないという意味です。
子どもたち各々が自分で設定しているゴールはありますが。(笑)

また、『評価』や『褒める』こともないということは他者と比べる環境もないということで、
『優越感』や『劣等感』も生まれません。

そうすると、子ども達は自分で考え、生み出し、満足感を掴み取れるんです。

それが、『自己肯定感』の高さも生み出します。」

「『自己肯定感』は、お話によく出てくるキーワードですが、太郎さんはどういう風に定義していますか?」

「自分の良い所も、悪い所もひっくるめて認められることです。

人間で最も『自己肯定感』が高いのは、赤ちゃんです。赤ちゃんに良い悪いはない。

でも大人になるほど自己肯定感は低くなります。僕は子どものもともと高い自己肯定感が下がらないような環境を用意しました。

すると、どうなったと思いますか。子ども達は、自分も尊重したうえで、他人も認めることができるようになったのです。

『自己肯定感』は『優越感』とは違います。『優越感』は評価が下がったらすぐ『劣等感』へと変わります。そこには他者との比較があり、認めてもらうのも他者です。

『自己肯定感』のある子は、周りと比較しません。認めるのも自分です。ただ、自分の興味のあることをして、楽しみます。
そのなかで、己の中で、納得いくかいかないかはあります。だから、納得するまで探究は行われます。

美味しいご飯を炊くのにはまっている子は、美味しいご飯を炊くのをただ探究しています。
納得したら、どんなに周りから評価をうけていても、次のことにいくかもしれません。
感謝やお礼が嬉しくない訳ではないでしょうが、それをもらうためにやっているわけではないのです。

自己肯定感の高い子供が集まると相手の個性を尊重できるので仲間の絆も強くなります。

今までにも話したかもしれませんが、ジャイアンみたいな子が入ってきたのです。
彼はカッとなると抑えられず、力でみんなを怖がらせました。そうして、自分のまわりから友達がいなくなる。それを繰り返していたのです。

でも、ここで、それをやっても、自己肯定感の高い子ども達は、一旦怖くて逃げても、また一緒に遊びにもどってくるのです。
なぜなら、自分も人も、良いも悪いもまるごと受けとめられるから。

『あいつは、ああいうところあるけど、こういう良い所もあるんだ。』
といいところまでみつけてくれて。

そのうちジャイアン君は、ここが安全な場だと気付いて、本来持っているやさしさを表現しだしたのです。

小さな子が、自分の大切なものをぐちゃぐちゃにしたら、前だったら、
『何すんだよ!』とつきとばしていました。
でも、今は、
「どうして、ぐちゃぐちゃにしたの?」
と聞けるようになった。自分がされたように相手の話をきけるようになったのです。

彼は、だれよりこの場が大好きになって、夏休みなんていらないというほど。

そして、更に彼は、この秋、前に通っていた公立の小学校にも自分から行ってみたいと言い出したのです。

私が、小学校にひさしぶりに行った時の感想を聞いたら、
『まあまあだった』
という返事でしたが、その顔は自信に充ち溢れていました。

彼は、ここに来たとき、力はつよかったけど『自己肯定感』は低かった。でも、『自己肯定感』の高い仲間が、彼を見守りリセットさせ、『自己肯定感』を高めたのです。」

「普通は、先生のおかげでとかありますが、太郎さんやスタッフの力もあったのではないですか?」

「普通の教育をうけてきた大人は、僕も含めて、森の子供に『自己肯定感』ではかないません。
僕達にできるのは、ゴールをつくらず、評価をせず、今やりたいことが一番の環境をつくることだけです。」

いかがでしたでしょうか?森のようちえんや学び舎の『自己肯定感』の強い子供達が大人になったら、どんな社会をつくってくれるでしょうか?そんな未来に興味のある方、ぜひ、応援したいという方は、さつきやま森のようちえんmorino-youchien@eggs-nature.netまでお問い合わせください。

※このブログシリーズは「さつきやま森のようちえん」の元保護者で、
太郎旅の参加者でもあるライターの山田詩乃が、読者目線で、太郎さんに今、聞きたい事をインタビューし、まとめたものです。

 

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