前回までは、森のようちえんが新しいステージに進んだ経緯をお伝えしました。
今回は、この冬『照乃ゐゑ』で子供たちが何を学んでいるのかご紹介します。
「とりあえず、この冬は『火と関わる』というテーマが小学部を中心に始まっていて、
子供たちだけで火とちゃんと関われるようになればいいなとおもっています。
寒いから火を使いたいでしょ?
そのためには、火をおこすにはどうする?
持続的に燃やすにはどうする?
更に、竈でごはんを炊くのだったら火の調整、薪をどこからもってくるのか?
つまり燃料ですね。
用意された薪は御飯を炊くのにつかうので、
それ以外で火を燃やしたいときは、自分で調達するように言っているのです。
みんな、落ちている小枝とか、いろいろ子供たちが家のまわりからひろってくるでしょ。
そうすると、照乃ゐゑの周りが自然とキレイになるのです。
これって、家の中に火があった昔の日本では当たり前のことで、家の周りをキレイにすることで燃料を手に入れていた。
それが、今、『照乃ゐゑ』で自然と子供たちの中に始まっているのです。
最近、僕の中で『自然』を表す別の言葉やっと見つけて・・・。いままで、『自然ってなんですか?』ときかれてわからなかったのですよ。一言でいえなくて、ずっと探していたのですが・・・。
自然って、『みずからなる』と書く。それって、『みずからなる。ということをあらわした、そのまま』だった、それは、つまり『循環とバランス』だったんです。
自然の中には循環があって、循環はバランスをとるための循環なのですよ。
例えば、雨が降るのは、空気の温度差を混ぜるために降るんです。
冷たい空気とあったかい空気がぶつかって雲ができて、雨がふることで二つの空気がまざっていくんですよ。そうするとバランスがとれる。
雨がふるという循環するメカニズムというのは、二つの空気を混ぜるためのものなんだって気が付いて。
そうか、自然っていうのは、自らバランスをとって成り立っているものなんだってことに気が付いて。
無駄なことはなにもない。すべてがそうなっているんです。
それが、『照乃ゐゑ』では体感できるじゃないですか。
僕が、あそこに子供たちを連れていって、子供はあそこで、たとえば『火をおこしたい』という欲求を満たすことで、勝手に自然のメカニズムである『循環とバランス』を学ぶことができるんです。
子供たちは、そんな難しいことは意識していません。
ただ、今は言葉にできなくても、大人になったとき、何か振り返ったときに、たとえば、海外に出て、何か日本に文化について聞かれたときに、自分の中に、日本の自然観が息づいていることに気付くかもしれない。
この体験があることで、いつか、将来、繋がるものがあればいいとおもっています。」
まさに、生きた学びがおきているようです!
最近ではオール電化で、大人でも火を扱うこと事態少なくなってきています。
でも、森の学び舎&ようちえんでは、火をつくること、自然の中の役割まで自然と学んでいるのですね。次は、何を学んでいくのでしょうか?次回のインタビューが楽しみです!
※このブログシリーズは「さつきやま森のようちえん」の元保護者で、太郎旅の参加者でもあるライターの山田詩乃が、読者目線で、太郎さんに今、聞きたい事をインタビューし、まとめたものです。
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