2019年4月から働き方改革法案が施行されます。それを、特に意識していたわけではないのですが、森のようちえんでも働き方の改革が起きました。自然な流れの中でおきたこの改革は新しいクラスも生み出すことに!!
「森のようちえんでも『働き方改革』がスタートしたとか?」
太郎:そうなんです。でも、働き方改革法案を意識したわけではなく、新年度の予算案を考えていて、僕がある提案をしたことから始まったのです。
「提案とは?」
太郎:スタッフ全員の賃金を上げるってことです。でも、収益は今までと大きく変わったわけではないから、僕の取り分を配分するつもりでした。つまり、僕はボランティアです。そして、その分、早上がりや、事務仕事の免除を申し出て、僕はより多くの自由な時間を手に入れたいと思ったんです。
「太郎さん・・。園長ですよね・・・。ボランティアって・・・。自由・・な発想ですね。」
太郎:スタッフに投げたところ、それは、却下されて、かわりに『同一労働 同一賃金』制が提案されたのです。働いたら、働いた分だけもらえるというやつです。一般的に言われる、正社員と派遣の差をなくすというのではなく、うち場合は、年功序列の差をなくすことになります。
これなら、自由が欲しいなら、そこはシフトを入れなければいい。得意なやりたいことだけやればいい。その分、働けば、ちゃんと働いた分だけ出ると。
「得意なやりたいことだけやれるのは、働き手としては最高ですが、誰もやりたくない仕事が出てきて、マネージャーとしては困ることもあるのではないですか?」
太郎:スタッフの得意分野がそれぞれ違っていたので、そこは問題になりませんでした。
それと、この話が出る前から、全員が同じ仕事をするのではなく、得意な人が得意なことをすればいいという流れがあったんです。そして、苦手なことは苦手と言おうって。
例えば、ブログ一つ書くにも、得意な人とそうでない人がいる。
ある人は、ブログを書くために1時間かかるから、30分に短縮するためにタイピングを練習していたのです。でも。30分で書く人に聞くと、タイピングは関係ないというわけです。
得意な人には苦手な人にはわからないスキルがあるので、苦手な人はちゃんと苦手っていってくれたら、それがきっかけで全員と得意な人のスキルの共有ができたりしました。
できるようになれば嬉しいわけですし、結果として全員の成長にもつながっていっています。
ただ、やはり、この『同一労働同一賃金』のやり方では課題はいくつかありました。
スタッフのみんながやる気でシフトをがんがん入れてくれたおかげで、僕が能勢に行く数が減るのです。その分、保護者を不安にさせないよう、安全管理などのスキルをあげるとか、
スタッフに『親離れ』ならぬ、『太郎離れ』の覚悟が求められました。
「それは、スタッフが自立していくという意味ではいいですよね。」
太郎:また、ベテランのスタッフの賃金が落ちてしまったことも課題でした。今までと同じように稼ごうと思うと、今まで以上に働く必要があります。当然モチベーションは落ちてしまいます。
そこで、時間が出来た僕とそのスタッフの新しいクラスを思いついたのです。それが、以下の二つ
【プレミアムクラス】
太郎とベテランのスタッフによる、家族のキャンプなどで使える、親向けのアウトドア クッキングのクラス。保育はベテランのスタッフが見守り、お料理をやりたがれば一緒にやってもいい。
( 詳細はこちらのリンクをご覧ください。→ プレミアムクラスのお知らせ )
【小学生向け 週末特別クラス】
小学部でやっている特別クラスを、小学部に通えなかったOB・OGや一般の方を対象に週末クラスを開校。
*こちらは現在調整中
「面白いですね。昨年度までは、太郎さんが、方針や新しいクラスを決めて、動いていたのに」
太郎:それだけ、スタッフが「自分たちでやれる。」という自信がついてきたのでしょう。
ここのスタッフは、雇われているのではなく、ある意味自営業の集まりなんです。
自分たちが働きたいように働けるために、意見を出し合っていやすい場所にしていく流れが、結果、新しいクラスを生み出しました。
正直、先月まで思いもしなかったことです。
みんな、「森のようちえん・学び舎が好き」「子供が好き」「保護者の成長を応援したい」という思いは一つですけどね。それぞれが、学び舎に求めるものは違うのだから、それを大切にしたいしと思っていますし、スタッフみんなが、お互いを認め合っているからできることかもしれません。」
前回、前々回と、子供をみならって、大人がもっと、自分のやりたいことに素直になること、自由になることの大切さを語っていた太郎さん。
さっそく、組織全体で大きなシフトが起きて、その結果素敵なクラスがスタートすることになったのですね。
太郎さんに時間が出来たことで、海外ツアーの本数も増える方向になっているとか。太郎ツアーのファンとしてもうれしいですね。
このブログシリーズは「さつきやま森のようちえん」の元保護者で、太郎旅の参加者でもあるライターの山田詩乃が、読者目線で、太郎さんに今、聞きたい事をインタビューし、まとめたものです。
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