【空飛ぶ園長ブログ】 たんぽぽ(幼児)クラスの気づき 1 ~ 時間割がないって? どういうことが起こるのか ~学び舎のクラスには時間割がない。古民家に行くとか。特別クラスがあったり。ということはあるが、時間は集合時間と帰りの時間が決まっているだけ。お昼ご飯の時間も自由。このお昼ごはんが自由に一番戸惑うのは、見学に来た大人だね。「いつ食べたらいいんですか?」って質問が来る。 「お腹が空いた時にどうぞ」というと、さらに困惑する人が出る。時間に縛られることが当たり前の大人。時間に縛られない子供達。どっちが自由なんて言ったらもう野暮だよね。たいていいただく質問は、後ろ向きなことが多いな。 「時間を守れない子供になるのでは?」「家でも好き勝手に食べちゃわないですか?」「子供が時間を管理できないでしょ」子供時代の自分をお忘れですよね。今日はその話ではないので割愛。お金と時間の大きな違い。どちらも大切だと言われていますが。お金は失っても取り返すことができる。時間は、過ぎてしまえば絶対に取り返せない。どちらも人生を豊かにするアイテム(道具)だと私は思っています。道具は使い方次第です。今日こんなことが起きました。年中さんの男の子が、畑におりました。でも、以前と違って畑には猪よけのネットが張られていて、出口はありません。下りるには、揺れる梯子を使うか、低いところで飛び降りるかのどちらか。彼は、15分くらい行ったり来たりしながら、恐怖心を克服し、なんとか飛び降りました。そして意気揚々と、梯子へ。ところが、梯子の下は草がぼうぼう!!その草が嫌ということで梯子は使わない選択をしました。残りは、低い壁をよじ登る。ところが上まで手が届かず登れません。 「登りたいの」を連呼。手伝ってと言われていないので、「登れば?」ということだけ伝えて、のんびり見ていました。恨めしそうに私を見ますが、自分で下りたので、その責任は取らないといけないことを知っているのか。私には、手伝ってと言いません。1年で、責任の取り方を学んだんだ!! と感心して、見ていること15分。まだ登れません。今度は壁に虫がいるので無理と言い始め。普通の保育士さん見たら、すぐに助けるんだろうな〜とか思いながら。私と普通の保育士さんの大きな違い。それは、時間がいっぱいあることかな。他の子供はスタッフが見てくれているので、じっくりと向き合いました。それが、学び舎の最大の特徴。 「時間はいっぱいあるぞ!! 好きなだけ自分の責任とってみな。そして挑戦してみな。」って感じかな。ちょっと悪代官ぽい(笑)待つこと40分。その間に、いろいろなドラマがあります。いつも、その年中さんに意地悪を言う今年年長さんの男の子。この日も今年初めの園だったのですが、早速泣かせていて。その子がやってきて、どうするのかみていると。年中さんに向かって「そこどいて、じゃまだから!」と言って一歩下がらせて、自分がその畑に飛び降りました。そして、何も言わずに、登る方法を見せているんです。それも1回ではなく3回くらい。押し付けるわけでもなく、偉ぶるわけでもなく。ただ、黙々と淡々と。それをみて、年中さんも挑戦。でもやっぱり手が届かず、泣き言を言う(笑)すると年長さん。「こっちの方が低いからこっちから登ったら?」と一言アドバイス。手伝わないあたりが憎い配慮だよね。結局それでも登れず時間切れ。お掃除の時間になってしまいました。最後に私からちょっとヒントをあげて、脱出成功。帰りの園バスで、年中さんはそのことを、「嬉しかった」と表現していました。時間割がない。でも、私たちはそれを時間を最大限に使えるからやっています。特に、小さい子は時間をかけてじっくり考えることが大切だなって思っています。大人が手を出すことは簡単。でも、それは子供の成長にあまり寄与しません。子供が最後までやり通すことが、成長を促します。だから、これからも、学び舎は見守り続けます。空飛ぶ園長 太郎
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